よく「赤い糸で結ばれている」といわれるが・・・
いつか結ばれる男女は目に見えない運命の赤い糸でむすばれている。
つまり二人の結婚はあくまで運命の成せる業ということだ。
運命とは何か? 神が人に書いた設計図である。
神は人を創り賜うた。人は神の思し召しの通り生きた。
人が従順に生きるのを見て神は喜び、人が人の意志で生きることを認めた。
しかしローマ帝国時代になると人は殺戮と退廃を繰り返した。
神は怒り、人から自由を取り上げ再び神の意思で生きる様な世にした。
人は従順になりルネッサンス(文化革命)を起こし、知恵を出し、
産業革命を起こし、世の中は豊かになった。
神は微笑ましく思い、また人に自由を与えた。
すると、人は第一次世界大戦、第二次世界大戦、ファシストの台頭、
ホロコースト、原爆、冷戦、キューバ危機などを次々と起こし、核戦争を
起こしかねない絶滅の道を走りはじめた。
神は人に呆れ、また神の思召(神の書いた設計図)通りに生きる世にした。
神の設計図(運命)から逸脱しないように、常に人をチェックし、軌道修正
する神の僕の組織を作った。それを「アジェストメント・ビューロー」=
(運命調整局)という。
若手の政治家デイビット(マット・デイモン)は大衆に人気があり絶好調、
将来の大統領候補とも期待されていたが、上院選挙直前につまらないことで
敗北した。
敗北宣言直前、失意の彼はトイレで美しい女と出合った。そして一目で
恋に落ちた!女エリース(エミリー・ブラント)の方も瞬間で恋に落ちた。
まさに運命の出会い・・・・・・・・・・ではなかったのだ。
この二人は神の設計図では結ばれる二人では無かったのだ。
さぁアジャストメント達は二人を引き離そうと調整しはじめた。
原作は人気SF作家(フリップ・K・ディック)の短編。
「ブレード・ランナー'82」 も「マニノリティー・レポート'02」も
「ペイチェック'03」も未来国家が人を完全支配する設定であるが、
今回は神の機関が人をコントロールする設定ゆえ絶対のはずだが、
ディビットは自分の運命は自分で切り開くと抵抗する。さて結末は?
SFの形をしたラブ・ロマンス映画です。「ボーン・アルティメイタム'07」
の脚本を書いたジョージ・ノルフィの初監督作品。
それにしても「運命の赤い糸」はあると実感する。
出会いの確率論から、さまざまな分岐点を超えて、女房と結婚したことは
不思議である。
コメント
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