原作は読んでいませんので「T.R.Y」の本当の意味が判りませんが。
「ホワイト・アウト」で熱演した織田裕二くんの新作というので
大変期待して劇場に行きました。
舞台は1900~1910年くらいの上海で、清朝の末期、世界の列強諸国が
中国を狙っていた時代であります。我が日本も日清・日露の戦争に
勝利し、国際社会に台頭し、最も野心的な時代でありました。
世界を股に掛ける詐欺師・伊沢修(織田裕二)はその騙しの腕前を
見込まれ、清朝打倒の革命勢力から強制的に仲間にされてしまう。
彼らの作戦は日本軍から武器を騙し取ろうというものだ。
ストーリーといい、時代背景といい、上海という舞台といい
ベストな役者を揃え、これは面白くなると期待して観ていたが・・
なんだかチャッチイ=Poorな画面 Poorな道具立てなのです。
国際都市上海の雑然と混乱の雰囲気が全く出ていないのだ。
1900年早々という、古色蒼然さも不足していた。
今、上海は大成長して隅々まで近代都市となってしまった。
また至る所工事中ゆえ、当時の古い建物やロケ地は少ない。
僅か「周荘」という水郷の村で、路地裏の撮影をした事は
判ったが、そこも観光地で古い中国とは思えなかった。
私にとって織田裕二は贔屓なので、あまり言いたくないのだが
まだ腰が完治してないと思う。刺客との対決、機関車での対決は、
いったいなんだ? 全くの手抜き格闘である。
また折角、黒木瞳さんが芸者役で出ているのにラブシーン無しとは
失礼だし、中国人の可愛いヒロインも出てるのに、これも
ラブシーン無しとはもったいない、織田は相当腰を痛めている証拠だ。
話は変わりますが、
中国革命家の首領(部 兵)さんは堀内孝雄に似てましたネ。
さらに、相棒の韓国人パクはジャッキー・チェンが友情出演したか
と思ったくらい似ていた。また愛新覚羅(松岡俊介)の顔は見事に
清の皇族顔であった。
ところで、
列車衝突で、奪った武器が粉微塵になるラストは私にはどうも
不自然なラストと感じました。
もしかして・・・
年代から、この映画の革命家達は孫文率いる国民党であろう、
現中国にとり、革命を成し遂げたのは毛沢東率いる共産党だという
自負があるので、国民党が革命のため武器を手に入れたとする
結末に、賛同を得られなかった。とする深読みは、考えすぎで
しょうか?
まったく、もったいない映画だ。
織田裕二くん!あんたが悪いのではないですヨ
悪いのは大森一樹監督ですからネ
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