いやはや 久々ナンセンス喜劇を観た。
昔は「東映時代劇の弥次喜多もの」や「東宝で植木等の無責任もの」など
ナンセンス喜劇が多々あったが、昨今はあまりふざけてはヒンシュクを買うと
いうことで、常識内喜劇の時代である。しかし やったねビート武(北野武)
監督さん見事ナンセンスに戻してくれた。それは「龍三と七人の子分たち」
正直いうと、今日本で一番 パワーがあるのは年寄りである。
いわゆる「我が物顔」なのだ。公道を見ると歩道では信号を守らない。
車道ではバックを見ないで左折する、センターラインを走る、逆走する。
自分の車からゴミを外に走る、何に於いても、頑なに自分のやり方を通す。
昨今 世の事件は被害者も加害者も大半は年寄りが関係している。
普通の年寄りでも厄介であるのに、映画の八人は70才以上の元ヤクザ
で元々鼻つまみ者の連中である。金も無い、先も無い、怖いもの無しである。
映画のコピー「俺たちに明日はない」でなく「俺たちに明日なんかいらない」は
言い得て妙である。
皆引退して、家族や施設でなどで邪魔もの扱いされている身、そんな龍三
(藤竜也)が町のチンピラに「おれおれ詐欺」にだまされた。これを切っ掛け
に昔のヤクザ仲間を再結成して、このチンピラヤクザ集団に戦いを挑んだ。
1947年頃「仁義なき戦い」の少々後のヤクザゆえ筋金入りの連中
気持ちは現役ながら、寄る年波には勝てないギャップが面白いのだ。
龍三を親分にして、参謀・若頭マサ(近藤正臣)、彼は昔し「柔道一直線」
で若きクールな敵役だったし、はばかりのモキチ(中尾彬)は強面だが、昔は
青春映画の美青年であった。ほんと私も同じだが、確実に年をとっていきますネ
さて、皆自意識過剰で恐いもの知らずゆえ 現役ヤクザたちは敵わない。
そんな年寄りをあきれながらも肩入れする刑事に(ビート武)が演じた。
まぁ 年寄りの、年寄りよる、年寄りのための映画ゆえ観客120万人
15億円を超える大ヒットとなった由。観るも作るも皆年寄りですワ
今の世 パワーあるのはやはり年寄である証拠を示しましたネ
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