現在、シャーロック・ホームズ シャドウゲームが絶賛上映中ですが、
ここでは先ず第一作2009年の「シャーロック・ホームズ」に一言。
私も少年の時、夏休み中の宿題として読んだのが世界的な英国探偵小説、
コナン・ドイル作「シャーロック・ホームズ」(1887)でありました。
爾来古今東西、推理小説のパターンや、探偵キャラクターは全てS・ホ
ームズのバリュエーションといって過言ではない。近年のTVシリーズ
科学捜査官もの、犯罪プロファイリングもの、日本での「相棒」もS・
ホームズの推理方法(アブダクション)を取り入れています。
1984年から10年間、英国テレビで(ジェレミー・ブレッド)主演のS・ホ
ームズが放映されましたが、彼は完璧なホームズを演じていました。
NHKでは露口茂の魅力的な声の吹き替えだった。私もファンでしたヨ
シドニー・バジェットの挿絵以来、歴代映画主役(ピーター・カッシング)
や(ジェレミー・ブレッド)によりS・ホームズのイメージは 真面目、
紳士、学者肌、わし鼻で、長身と固まっていた。
それが2009年版のS・ホームスは主役が(ロバート・ダウニーJr)で、
宣伝文句もアクション&アドベンチャーと来た!これは危ない、ご存知の
通りRダウニーJrさんは演技派であるが、主張も強い、個性あり過ぎる、
薬でドタキャンの前歴もあった。
多分キワモノ映画だろう、世界中のシャーロキアン(世界的な根っからの
ホームズ・ファンクラブ)から批判噴出、袋叩きに合うと恐れたが、な・な
・何と!大ヒットしてしまったのだ。
今までの古典的なホームズではなく、まるでシャーロック・ボンド007の
如く武闘派であり、アクション満載で、ワトソンとの掛け合いユーモアも
面白いのです
なにゆえこの大変革にシャーロキアン達が怒らぬのか?それは意外に原作に
忠実、むしろ原作に近いキャラクターであるらしいのです。
資料によると
①日本の柔術・ヘンシング・ボクシング・ステッキ術の名手武闘派であった。
②バイオリンの名人
③薬物依存症 (主役のR・ダウニーJrは依存症を無事脱却した由)
④解剖や毒物研究がすき
⑤退屈すると拳銃で壁に発砲する、ややソウウツ病
⑥女性に心を許さないタイプだが、アイリーン・アドラーは気になる相手。
上のエピソードを全て巧みに映画に取り入れ、小説に敬意を表して、
アパート大家のハドソン夫人も、レストレード警部も、ワトソンの婚約者メアリーも
きちっと登場させており、これではシャーロキアンも喜んでいると推察。
主役のR・ダウニーJrは1992に「チャーリー」でチャップリンを演じた。
そもそも顔も似ているが、演技の極みチャップリンの仕草もそのものを
見事に再現したのだ。これで主役クラスに昇るも、薬物スキャンダルで
しばらく低迷していた。2008年ごろから「アイアンマン」や本作が大ヒット
して見事主役クラスに返り咲いた。ファンとしては嬉しい限り。
ホームズの顔を見る度に、チャップリンの顔が出てくるのは私だけでしょうか?
アイリーン・アドラー役(レイチェル・マクアダムス)は女優開花の域
ワトソン(ジュード・ロウ)も美形二枚目スターからの脱出に成功している。
監督 ガイ・リッチー のコダワリとスピードの演出は抜群に旨い。
この映画のもう一つの見所は19世紀末の第2次産業革命時の英国ロンドンの
風景(ビッグベンやロンドン橋の掛け直しなど)です。また世相を良く表現
していて誠に興味深いですゾ。
皆様本作はDVDで そして新作は劇場へ行きましょう。
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