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危機が発生した時にトップにはリーダーシップと決断力が必要です。
そして何よりも日ごろから危機管理を備えておくことが肝要。
と言う訳で「エグゼクティブ・デシジョン」1996に一言
イスラムテログループがアテネ発のB747旅客機をハイジャックする。
牢獄の首領釈放を要求してきた。しかしこの旅客機には毒ガス爆弾が
仕掛けてあり、本当の狙いはワシントンDCを全滅させることであった。
この人質救出のために(スティーブン・セガール)率いる特殊部隊と情報
アナリストの(カート・ラッセル)が空中ドッキングで乗り込む。飛行機は
刻々と米国に近づく、米国首脳は400名乗員の救出か?飛行機の爆破か?の
選択をせまられる。これが正に「エグゼクティブ・デシジョン」である。
「沈黙シリーズ」では無敵の(あのセガール)が早々に死んでしまう
おかげでリアルな映画に仕上がり良かった。(カート・ラッセル)の的確な
判断力、(オリバー・プラット)のむさ苦しいコンピューターオタク、
(ジョー・モートン)のメカニック技術、(ジョン・レグイザム)の戦闘力と
それぞれが重要な役割を果す。これ監督が役者の魅力を引き出しているのだ。
またスチュアーデスを演じた(ハル・ベリー)が誠に気丈、利発、そして
チャーミングであった。最近は黒人女優の方が知的で好感度なのは何故だろう?
そして何と言ってもテロリーダーの(デイビット・スーシェ)が旨かった
一見普通のオッサンみたいだが、かえって本物らしく恐い。そして気が付いた!
あのNHKの海外ドラマ「名探偵エルキュール・ポアロ」ではないか、頭はハゲ
てるが、正に灰色の頭脳頭そのままだ、全く油断出来ない冷酷さを好演する。
全く同じテーマ「エアフォース・ワン」1997 のロシアテロリストリーダー
(ゲーリー・オールドマン)の「くさい演技」よりはるかにリアルだ。
この(スーシェ)の演技と(スチュアート・ベアード)監督のテンポの良い
スリルが「エアフォース・ワン」より面白い映画を作り出したと思います。
投稿情報: 06:18 カテゴリー: 1990-1997 見た映画, え | 個別ページ | コメント (0)
日本人は何に付け、手を合わせたり、拍手を打ったりして神仏にお祈りする、
また正月、地鎮祭や上棟式に厄払いをして念のために災いが来ない様にする。
しかし正直、本当に悪魔がいるとは思っている人は少ない。
その点、ローマカソリックは「悪魔は存在する、戦いに備えよ」という
ことでバチカンにエクソシスト養成講座をもっているくらいである。
アメリカ人神学生(コリン・オドヒュー)は卒業前に、カトリックの総本山
バチカンに行き、そこで「悪魔祓」いわゆるエクソシスト養成講座を受講
することに成った。
彼は司祭になる気もなく、悪魔つきなど精神病に過ぎないと懐疑的である。
そこでバチカン司祭は彼を異端のエクソシスト、ルーカス神父(アンソニー
・ホプキンス)の元へ送った。
着く早々、16才の少女の悪魔祓いの手伝いをする破目になった。
はたして本当に悪魔(悪霊)が存在し、人に獲り付くのか?それとも
単なる精神病なのか?
「羊たちの沈黙」'90でハンニバルを演じたアンソニー・ホプキンス主演
ゆえ彼が悪魔かと思っていたら、今作では悪魔祓いをする神父役であった。
「ハンニバル」'01でもイタリア語を駆使していたが、今作でもイタリア語
での悪魔祓いの祈祷シーンは正に迫真の演技と言えます。
あの1973年のホラーの元祖映画「エクソシスト」の続編的映画か?と思って
いたが、全く異なりました。正にエクソシスト=悪魔祓のドキュメント映画
なのでありました。原題も「The Rite」儀式であります。
今回の悪魔の捕り憑き先は16才のいたいけな妊婦である。
元祖「エクソシスト」でカラス神父が「なぜこんな6才の良い子供に悪魔が
獲りついたのか?」と嘆いた台詞を思い出した。
その答えは「悪魔は我々を絶望させ様としているからだ・・・」
キリスト教の悪魔は怖い、つくづく仏教徒でよかったです。
投稿情報: 05:00 カテゴリー: え | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
映画には どのジャンルでも元祖的映画があるものだ。
「吸血鬼」の元祖は1958年ハマー・フィルムで作られた、(クリスファー・リー)
主演の「吸血鬼ドラキュラー」だろう。
「ゾンビ」の元祖はG・A・ロメロ監督の「ナイト・オブザ・リビング・デッド」
1968年作品だと思う。
そして「悪魔」の元祖といえば、やはり1973年の「エクソシスト」だろう、
この映画は世界的に大ヒットし、オカルト映画という大ジャンルに成長させた
元祖映画とも言えましょう。
エクソシストの監督は最も油が乗っていた(ウイリアム・フリードキン)だ。
「フレンチ・コネクション」’71でアカデミー作品賞・監督賞を獲得した後、
この「エクソシスト」を大ヒットさせたのだ。
ファーストシーンは意外なことにイラクの古代遺跡の採掘現場、そこで考古学者の
メリン神父は不吉な「悪魔バズズ」の像を発見した。この意味合いは、悪魔は異教
であり、これをカソリック=キリスト教が追払うというテーマに思えた。これは
永遠の戦い「キリスト教対イスラム教」の構図が見えた。
米国ジョージタウン市、映画撮影で仮住まいをしている女優(エレン・バースィン)
の12才になる一人娘リーガンに異変が起こった。異質な声で、卑猥な言葉を吐き、
痙攣、発作を繰り返していたのだ。
最初は精神異常からの発作と診断したが、解明されぬまま、もはや顔も容態も酷い
状態になった。医者もさじを投げ出し、母親に悪魔祓いを奨めるシーンが面白い。
カラス神父とメリン神父による悪魔祓いが始まった。とにかく映像が凄い、さすが
フリードキン、凍りつく部屋での祈祷、首が一回転する名場面、逆さで階段を降りる
シーン、空中停止など全て衝撃的だが、それまでのホラーの如く造りものとは思えぬ
ほど、リアルに仕上げた。この映画を観て以来悪魔の存在を信じようになった人が
多々入ると思う。
後日談としてリーガンを演じて有名になった少女(リンダ・ブレア)の後の女優人生は
かわいそうだった。あまりにねじれ首の印象が強すぎて、ホラーやポルノばかりの
B級映画女優になってしまったのだ。
結果的に彼女は明らかに悪魔の餌食だった。
投稿情報: 04:33 カテゴリー: 1970年代に見た映画, え | 個別ページ | コメント (0)
キャッチミー if ユーキャン」は
「俳優なくして、映画なし」という典型的な映画だった。
この主役が、ブラット・ビットなら、大人っぽ過ぎる
ドビー・マグワイアなら、真面目で硬過ぎる
ユアン・マグレガーなら、タフ過ぎる
ライアン・フィリップなら、マイナー過ぎる
16才のテーン・エイジ役が出来、ハンサムでメジャーな
役者はあのレオナルド・デカプリオ様しかおられません。
有能ながら、抜けていて、仕事人間ながら情がある
この映画を人情的コメディーに仕上げること出来る
中年役者はトム・ハンクスしかおられません。
フランク・アバグネイルは16才だが手形詐欺に天才的才能を
発揮する、彼に見つめられた女性は、いちころに陥る、
年寄達も彼をすっかり信用する。女たらしと爺たらしの天才だ。
女と年寄りはハンサムな好青年が好きなのです。
それから人は制服に弱い、パイロット、医者の白衣、三つ揃え
スーツの検事やヤング・エグゼクティブ、制服の信用は絶大。
そういう私も、制服に弱い、白衣の看護婦、スチュアーデス、
特に喪服の女性を見ると・・・・少々脱線。
60年代の花形、航空産業 その象徴がパン・アメリカンだった。
当時、兼高かおるさんの「世界の旅」の宣伝に出てくるパンナムを
みて、「いつかボクも!」と夢を見た。しかし諸行無常の航空産業
パンナム、ユナイテッド、エア・カナダ、そしてアメリカンまで
倒産の憂目、時の流れをつくづく感じる。
さてパンナムの美人スチュアーデス達に囲まれて、エアポートに
乗り込むパイロット姿のデカプリオ、 バック音楽はシナトラの
「カム・フライ・ウイズ・ミー」正に題名ピッタリ、時代ピッタリ、
嬉しく憎い限りの演出だ。
今回は演出を感じさせない、細かい演出の連続だ!
スピルバーグはやはり流石である。
投稿情報: 11:57 カテゴリー: 2003 見た映画, き | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
皆様、2001年お正月あけましておめでとうございます。
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本年も瓦版の少数派「中年」の立場からの映画感想お許し下さい。
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観たものは、必ず一言と思ったら、新・旧おり混ざり
旬で無いものまで論評するので、迷惑かな?と思いつつも
敢えて投稿するあつかましさ、お許し下さいネ
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20世紀の日本映画最大のヒーローは誰か?と問われたら
それは「ゴジラ」でしょう。
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また私にとっても、初めて観た映画は何か?と問われたら
それは「ゴジラ」でしょう
多分東映のチャンバラも観ていたのだろうが、観たという認識が無いのです
「観た!」とはじめて認識したのが「ゴジラ」昭和29年(1954)だったのです。
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そういう意味で20世紀最後に観るべき映画はこのヒーローに敬意を評して
「ゴジラ対メガギラス」としたのです。
怪獣対決ものでは「ゴジラ対キングコング」に勝るものはありませんが
まあ~今作品は古代トンボ幼虫メガヌロンがゴジラに群がるシーンは見所です。
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また今回の破壊物件は東京の新名所お台場でした。ゴジラを観れば
その時々の新建築物の歴史が判りますし、有名な建物は悉く破壊されました。
(ただ一つだけ、畏敬の念か皇居だけは踏み込んでおりません。)
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さてヒロインはG対策本部隊長(田中美里)こんな細腕でゴジラを倒せるの?
そして科学者は我らのアイドルだった(星百合子さん)この人は科学とか
コンピューターのことが全く判って無いということが演技に見事出ていました。
G対策総責任者は(伊武雅刀)この人出ると何か胡散臭いと思っていたが、
やっぱり裏があった。
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ゴジラキャラクターも変遷がありました。初代から対キングコングまで
シリアスタイプだったが、対モスラからユーモラスになり、南海の大決闘の
「シェー」やゴジラの息子に至ってはお笑い3流怪獣になり下がった。
ここで私はしばらくゴジラに別れを告げたのです。
ゴジラは子供向けに造ってはいけないのだ、大人のために造って始めて
子供も喜ぶのだ、製作者はそこを間違えてしまったのです。
昭和50年(1975)で一旦休止となりました。
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再登場したのが昭和59年(1984)題名はシンプルに「ゴジラ」日本中のファンが
カムバックを喜んだものだ。正にシリアスな怖いタイプにもどりました。
爾来見続けておりますが、私はこの「ゴジラ」の時のスーツが一番好きだ。
今回の「対メガギラス」の新スーツは目がオモチャモードで今後が心配だし、
又ゾろ、ゴジラジャンプが出てきたのも心配だ。
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ゴジラは人間や子供に媚びを売ってはいけないのだ、あくまでも凶暴、
冷酷無比の象徴であり、泰寂超然な存在である。この廻りで右往左往する、
おろかなる人間達の悲喜交々,人間の欲望で面白い脚本を作るべきなのだ。
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そしてハリウッドに負けない最新SFX、VFXを駆使して、よりリアルな映像を
見せて欲しいものだ、それが故円谷英二監督のご遺志でもあるのです。
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ついついゴジラとなると新年早々長文となりました。誠にSorry
投稿情報: 07:24 カテゴリー: 2001 見た映画, こ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
投稿情報: 06:43 カテゴリー: か | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
白状します、掛値なし面白い!長年私が待っていた時代劇とはこれです!
本日は徹底的に誉めますゾ
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私にとって3大時代劇とは1に三船「用心棒」2に勝新「座頭市」
3に雷蔵「眠狂四郎」でありました。
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北野たけしの「座頭市」を観て、先ず思ったことは
ああ!たけし監督は新「座頭市」で黒沢明の時代劇をリメイクしたナ!
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ごぞんじ黒沢時代劇の中でも「剣客もの」といえるのは、
「七人の侍」'54 「用心棒」'61 「椿三十郎」'62であります。
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私が子供の頃、はじめて映画は面白いものと感じたのは「用心棒」、
それから「椿」を見て「七人」の再上映を見て完全にのめり込んだ。
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しかしそれ以来、黒沢監督はエンターティンメント「剣客もの」
から引退してしまった。後に作った「影武者」'80も「乱」'85も
私の期待する様なエンタ剣劇ではなかったのです。
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「用心棒」よ!もう一度と、求め見た時代劇数知れず、しかし満足
なものは皆無。それが北野「座頭市」で私の欲求不満はやっと解消
されたのです。
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先ず、あっという間の居合抜きと最後の血しぶき対決は「椿三十郎」
ヤクザ同士の血の抗争、酒屋にたむろ、宿場からの脱出は「用心棒」
ラストの農民タップダンスは「七人の侍」を思い出させる。
もちろんサイコロ賭博は勝新「座頭市」そのものは言うまでもない。
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正直いうと、今までの北野映画は寡黙過ぎて好きではなかったのです。
私は元来エンターティンメントの出来ないアート監督は評価しない
性質なのですが、今回たけし監督出身母体の浅草伝統演芸をタップリ
取り入れ、黒沢時代劇に必ずあったユーモアもキッチリ取り入れ、
チャンバラエンターテインメントに徹し、面白い映画を創ってくれた。
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見終わった後の充実感と爽快感、たけし監督は天才と認めましたヨ。
投稿情報: 05:47 カテゴリー: 2003 見た映画, さ | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
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