映画には どのジャンルでも元祖的映画があるものだ。
「吸血鬼」の元祖は1958年ハマー・フィルムで作られた、(クリスファー・リー)
主演の「吸血鬼ドラキュラー」だろう。
「ゾンビ」の元祖はG・A・ロメロ監督の「ナイト・オブザ・リビング・デッド」
1968年作品だと思う。
そして「悪魔」の元祖といえば、やはり1973年の「エクソシスト」だろう、
この映画は世界的に大ヒットし、オカルト映画という大ジャンルに成長させた
元祖映画とも言えましょう。
エクソシストの監督は最も油が乗っていた(ウイリアム・フリードキン)だ。
「フレンチ・コネクション」’71でアカデミー作品賞・監督賞を獲得した後、
この「エクソシスト」を大ヒットさせたのだ。
ファーストシーンは意外なことにイラクの古代遺跡の採掘現場、そこで考古学者の
メリン神父は不吉な「悪魔バズズ」の像を発見した。この意味合いは、悪魔は異教
であり、これをカソリック=キリスト教が追払うというテーマに思えた。これは
永遠の戦い「キリスト教対イスラム教」の構図が見えた。
米国ジョージタウン市、映画撮影で仮住まいをしている女優(エレン・バースィン)
の12才になる一人娘リーガンに異変が起こった。異質な声で、卑猥な言葉を吐き、
痙攣、発作を繰り返していたのだ。
最初は精神異常からの発作と診断したが、解明されぬまま、もはや顔も容態も酷い
状態になった。医者もさじを投げ出し、母親に悪魔祓いを奨めるシーンが面白い。
カラス神父とメリン神父による悪魔祓いが始まった。とにかく映像が凄い、さすが
フリードキン、凍りつく部屋での祈祷、首が一回転する名場面、逆さで階段を降りる
シーン、空中停止など全て衝撃的だが、それまでのホラーの如く造りものとは思えぬ
ほど、リアルに仕上げた。この映画を観て以来悪魔の存在を信じようになった人が
多々入ると思う。
後日談としてリーガンを演じて有名になった少女(リンダ・ブレア)の後の女優人生は
かわいそうだった。あまりにねじれ首の印象が強すぎて、ホラーやポルノばかりの
B級映画女優になってしまったのだ。
結果的に彼女は明らかに悪魔の餌食だった。
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