日本中のご婦人達から涙を搾り出したあの「マディソン郡の橋」が火事で
焼失したとの由、痛惜の極み、あの屋根つき橋(Covered Bridge)の
写真を見ただけで、条件反射の如く、愛の切なさが込み上げてきますネ
・・・今回は40才未満の方はご覧にならないでくださいませ。・・・
私の親友の妻などは上映当時('95)真夜中で雨に拘らず劇場から
家までの6kmを2時間ずっと、泣きながらトボトボと歩いて帰った
との事。よほど亭主の居る家に帰りたくなかったらしい。
本来、男女の縁は赤い糸で結ばれていると信じられていますが
内の夫が?内の女房が?とても赤い糸で結ばれたと思えぬカップルも
多いものです。
特に昔は 自分の意思でなく、回りの薦めや義理、親の厳命で
断れず嫁ぐことや、実家の事業欲や閨閥の結婚もあったでしょう。
一方、恋愛自由の昨今は、実地体験によるあまりに拙速な、
あまりに未熟な、相手の本質を知らないままの結婚が多々あるようです。
この映画「マディソン郡の橋」の女(フランチェスカ)はアイオワの
田舎に住み、二人の子供を生み、農家の保守的な生活をしてきた。
ある意味で自分の情熱を抑えて生きてきた45才の女である。
男(ロバート・キンケード)は放浪の写真家(52才)だ。
ローズマン・ブリッジを撮影するためにアイオワに来た。その道筋を
訊くために寄った家に、フランチェスカが住んでいたのだ。
会った瞬間、彼女の中で何かが跳ね上がった!
一方男は固まってしまった! 正に赤い糸を感じあったのだ。
男はクリント・イーストウッド、女はメリル・ストリープ
2大円熟スターの共演で二人が結ばれるまでを、ワインが熟成する
過程の如くゆっくり、じゅっくり演じてくれた。旨かったですネ
そして別れの名シーン、夫の車のノブにまで手が掛り、開けて夫の車から
降りるのかと思わせた。ご婦人達の「行くのヨ~」という声もあったと
記憶、しかし、やはり今までの人生を選んだ。家庭を捨てられなかった。
これが男との永遠の別れとなったが、女にとってこの4日間は、
この世に生まれてきた意味を教えてくれた4日間の恋だったのです。
上映当時、つくづく思った。我々亭主族は女房と数十年間共に過すこと
になるが、その女房にとって生まれてきた意味は他の男との4日間
であったと言われないために、日々精進せねばというものでした。
その事をすっかり忘れ、ぐ~たら亭主しておりましたが、今回の焼失
事件で計らずも思い出し。再度反省し精進することを誓ったしだいです。
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