先に見た「ミッション・インポッシブル 3」’06で、イーサン(トム・クルーズ)
の部下役で出ていたが、「アレキサンダー」’04やら、「エルビス」’05やら
このところ、メキメキと頭角を表してきた(ジョナサン・リス・マイヤーズ)が
主役を務めた「マッチポイント」に一言。
彼はハンサムな俳優であるが、なにかしら心に屈折した影を感じる役者である。
映画本によると、彼は捨て子で孤児院で育ち、高校も中退し、街で群がっている
ところをエージェントからスカウトされたと書いてある。
想像するに、幼い時からかなり辛苦を舐めてきたのだろう、このことが彼の仕草
の中に、一抹の悲しさと危うさを感じる由縁と思われる。(それが魅力でもあるが)
監督ウディ・アレンが、この映画「マッチポイント」の主役に抜擢したのは、映画
主役クリスの中に(J・マイヤーズ)自身の本質を見たからではないかと思えた。
舞台は英国ロンドン、元テニス・プレイヤーのクリスは、個人コーチをした縁で
大金持ちの一家に入り込み、気に入られ、その娘と結婚した。
義父(ブライアン・コックス)も彼がファミリーの一員として事業家なることを
期待していた。野心家のクリスにとって、人生の将来が見えてきたのだ。
しかし何と!義兄の婚約者ノラ(スカーレット・ヨハンソン)と不倫に堕ちてしまう。
ノラはアメリカのテキサス州からロンドンに演技の勉強に来た女優で
あるが、なかなか芽が出なかった。
多分、貧しい生立ちのクリスはアメリカ女の官能的な魅力に共感と
安堵を感じ取り、性愛に溺れていった。
教養があり、人生計画を着実に進め、育ちの良いリッチな妻と妻の実家
からもたらされる明るい未来、もう一方はアメリカ女との官能的な性愛
生活、やはり彼の順調な人生設計に狂いが生じ始めた。
男とはエゴイスティックな生き物、どちらを選ぶかは明白デスネ。
そして彼はある計画を実行するが、事態はますます悪くなり、いよいよ
マッチポイント状態に追い込まれる。
映画の最初「この世の出来事は偶然で成り立ち、人生はコントロール
出来ない」「テニスボールがネットに当たって、向こうに落ちるか、
こっちに落ちるかはツキであり、ツキで勝敗が決まる」とのモノローグ
で始まった。全てはこの言葉の体現がこの映画でありました。
推理サスペンスであり、いつもの作品ジャンルとは異なるとはいえ、
(ウディ・アレン)の風味は健在な作品であると思います。
そして(スカーレット・ヨハンソン)の色気に目まいがする映画でした。
私なら迷わずS・ヨハンソンとの自堕落な生活の方を選びますがネ。
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