我が青春時代見た映画でカルチャ~ショックを受けた映画は
何かというと、それは「卒業」'67(日本初公開'68)でした。
受験勉強で鬱々としていた時、ラジオの深夜放送から流れる
(サイモンとガーファンクル)の「サウンド・オブ・サイレンス」
や「ミセス・ロビンソン」に魅せられ、授業をサボって劇場へ行
ったと記憶。
小柄で決してハンサムでないスターらしからぬ(ダスティン・
ホフマン)が主役デビューした。年上女との性愛に溺れていた
若者が、何と!その女の実娘と恋愛におち、駆け落ちする映画。
映画史上最も有名なラストシーン「結婚式からの略奪」は我々に
強烈なショックを与えた。男は勇気と自立心を持つことで子供を
「卒業し」大人になると学んだ反面、女性は逃げるものだという
結婚恐怖症トラウマも生まれた。
逃げた二人はその後(30年後)どうなったのか?その後日談が
この映画「迷い婚 原題 Rumor Has it ・・ 」だと思えば良い!
サラ(ジェニファー・アニストン)は妹の結婚式のため故郷
パサデナに戻った。そこで耳にしたのは、今は亡き母は何と!
あの映画「卒業」のモデルで、駆け落ちした花嫁だったと
いうのだ。
結局、数日して花嫁は置き去りにした新郎の元へ戻ってきたのだ。
つまりサラの父(リチャード・ジェンキンス)との平凡な人生を
の方を選んだのだ。
しかし、サラは実の父は駆け落ちした男の方でないかと疑いを
持ち、祖母(シャーリー・マクレーン)に問いただす。
祖母はあの映画でD・ホフマンを誘惑したロビンソン夫人
すなわち名女優(アン・バンクロフト)の実物ということになる。
サラは遂に男を探し出した、その男はITで成功したリッチで
独身の魅力的な人物ボー・バローズ(ケビン・コスナー)であった。
彼に自分の父でないかと問い詰めるが、きっぱりと否定された。
その夜、緊張感から開放され感傷的になっていたサラは、何と!
バローズと一夜を共にしてしまう。
結局サラ曰く「我が家、3世代の女(祖母、母、自分)は全員、
このバローズと寝たことになる。」である。
いやはや、女の好みは多分遺伝するのだろう、女の性(さが)の
凄さ、女の気ままさを十分感じる映画だった。
男役にハリウッドでは知らぬ人がいない「手当り次第に口説く
女たらし」K・コスナーを配したのは洒落っぽく、流石である。
祖母役に大御所シャーリー・マクレーンを配した。世の中達観し
貫禄十分、A・バンクロフトに敬意を表した配役と思われる。
こんな面白い設定を考えた脚本に脱帽、そして監督は都会女性の
洒落たラブコメが得意のロブ・ライナーさんだった、流石!!
「卒業」を観て感動した若者もあれから早38年経ち、55から
70近くになり正に団塊の世代である。当時の思い出に浸り
ながら、代が替わって子供、孫の時代を感じながら、そして
あらためて女のしたたかさを再認識できる、「団塊の世代」に
お薦めの一本でした。
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