タイトルに惹かれて、ふら~と劇場に入り見てしまう映画って
ありますよネ、これがまさにその映画「食堂かたつむり」
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知らない町に出張した時、駅の近くには必ず○○食堂があります。
私の場合どういう訳かその手の名前の店に入ってしまう。
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大半の食事の店が洒落た店名にする昨今、堂々と○○食堂と
古く素朴でダイレクトな名で通していることは、そうとう古く
から商売している証拠である。
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また私がまだ神童といわれていた子供時代、母に連れていかれた
のは○○屋とか○○食堂であり、その時のおいしかった思い出の
せいかもしれない?
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私がまだ美青年だった学生時代、下宿近くの○○食堂のおばさん
から日々、腹一杯になる定食のお世話になったせいだろうか?
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結局只のおじさんになってしまった今も、ノスタルジックな気持ち
が強く、○○食堂と書いた看板に誠に弱いのです。
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前置きが長くなりました、映画にもどりましょう。
母が嫌いで家出して、祖母の家でみっちり家庭料理をおぼえた倫子
(柴咲コウ)、インド人の恋人からインド料理をみっちり仕込まれた倫子、
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しかし彼にお金を持ち逃げされ無一文になった倫子は、ショックで失語症
になり失意のどん底で故郷の田舎に帰った。
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女の人が細腕一人でやれる商売となると、先ず「食堂」だろう?
実家の裏庭の一角にある納屋を借り、小さな「食堂かたつむり」を
開店した。
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味はおいしく、食べると精気が湧き上がり、不思議なことに幸運が
もたらされる、それが口コミで伝わり、顧客が少しずつ増えてきた。
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よく「人は食べるために生きるにあらず、生きるために食べるのだ。」と
言われる。
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この映画は「たべるために生きるグルメ派映画」ではなくて、
人間の根源である、元気に生きるためには「食べなくちゃ」という映画で
ある。おいしいものを食べればやさしくなり恋もできる。満腹になれば
生きる活力が出て来るというものだ。正に「食足りて礼節を知る」かな。
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母親サユリ役に余貴美子、正に今一番のってる女優、昔は映画の片隅で
ちょっと光っていたが、本数を重ねる内に、無くてはならぬ光輝く脇役
の筆頭になってしまった。
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2008年「おくりびと」、2009年「ディア・ドクター」で日本アカデミー
最優秀助演女優賞を連続受賞とは凄いですネ 祝!
コメント
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