(リドリー・スコット)監督が、敢えて創る戦争映画ならば
只の活劇ではないはずだ。との期待で「プラックホーク・ダウン」
を観ました。
戦場はソマリアの首都モガディシオ、市街戦を見ていて昔の映画
「アルジェの戦い」(’66伊&アルジエリア)を思い出しました。
あの映画はアルジェリアが仏国から独立するまでの激しい戦闘を
見事なドキュメント・タッチで再現したものだ。
アルジェリア人の民族意識が強烈だったと記憶。
さすがR・スコット監督 ある意味で米国の軍事介入の汚点であり
大失敗であった'93年の「ソマリア派兵」を敢えて取り上げ、
そこで、徹底的な戦闘リアリズムを追求したのだ。
リアリズムにはヒーローを演じるビッグネームのスターは邪魔である
また「P・ライアン」’98の様な愛国心も邪魔である。
戦争の是非や民衆の苦悩などは一切考えず、戦闘の凄さましさだけを
徹底的に表現して見せた。そして、群がり来るソマリア人民の憎しみは
尋常ではないことを見せてくれた。
正に映像職人R・スコット監督の得意分野、真骨頂でしょう。
製作者は派手好きの(J・ブラカイマー)さんだが、この戦争は米国の
恥辱的敗退であったためか、前作「パール・ハーバー」’01に対する
批判を反省したのか自分の色を抑えたのが良かった。
よく我慢されましたネ
しかし、いくらリアルでも映画はやはりエンターテインメント
いつものパターンだが 軍隊に必ずいる、尊大な将校、エリート上官、
ベテラン軍曹 そして初年兵など皆登場させた。
今回もたたき上げ組みが特に格好よかった。トム・サイズモアいつもの
ようなごっつい脂ぎったおっさんなのだが、相変わらず巧い
P.Rのノルマンディーでも戦っていたが、私も彼のファンなのです。
あと、グロスターの漁師(ウィリアム・フィチナー)と、はじめて
見かけた役者(エリック・バナ)が渋く、得しましたネ。
この映画の主役は米軍が誇るハイテク武装ヘリの「ブラック・ホーク」だ
あえて邦題にすると「鷹は舞い降りた!」だろうか?
しかし、地上に降りた鷹は単なる餌食にすぎなかった。・・・・
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