日本の最大の暴力団が分裂し、ここの地元でも一触即発があった。
警視庁は毎日、警戒態勢を敷いていますヨ
ギャングの本場アメリカでは、全米広域マフィア対策をFBIが果たしているが、
1980年ごろFBIとギャングの結託犯罪という米史上最大の汚職事件があった。
この映画はその実話である。題名は「ブラック・スキャンダル」、原題は「Black
Mass」黒ミサ、FBIが成績を上げるためにマフィアと約束した正に悪魔との契約
であった。
舞台は1971年の米国ボストン、ここは米国独立の記念地であり、バーバード大学も
ある文化都市である。しかしボストンの下町は昔からギャングがはびこる治安の悪い
地域ゆえ、ボストンを舞台にして、「ミスティク・リバー」2004 や「ザ・タウン」
2010などの犯罪映画が作られてきた。
南ボストンで育ったアイルランド系の3少年、長じてホワイティ・バルジャー
(ジョニー・デップ)は地域のギャング・ボスになった。ジョン・コノリーはFBI
捜査官(ジョエル・エドガー)に、ホワイティの弟ビリー・バルジャーは何と!
上院議員に出世していた。
ボストンに転勤してきたFBIコノリーは出世欲の野心家、彼は幼馴染で
あるギャングのボス、ホワイティに情報源になってくれと頼んだ。
「広域イタリア系マフィア、(アンジェロ・ファミリー)を潰したい」と
いうものだ。
ホワイティにしてみれば敵を潰せる、かつ自分のファミリーの犯罪を見逃してくれる
密約である。取引に応じた。FBIの上司(ケビン・ベーコン)もこの密約を
見て見ぬふりをしていた。弟の上院議員ビリー(ベネディクト・カンバーバッジ)は
兄への忠誠で無言を貫いた。
ホワイティの情報によりアンジェロ・ファミリーは次々を逮捕され打撃を受けた。
一方ホワイティは勢力を伸ばした。というより遣りたい放題の無法をはじめたのだ。
邪魔者を次々と殺して行く、自分の仲間も、腹心部下の継娘まで容赦なく始末
する。あまりの冷酷で激化する暴力や殺人にFBIも放置できなくなってきた。
いやはやこの殺しっぷりに、少々胸が悪くなった次第。
ついにコナリーの同僚モリスFBI捜査官は怖気づき、訴追免除で犯罪を
白状した。更にボストン・グローブ紙にギャングとFBIの癒着を暴露した。
果たしてアイルランド系バルジャー・ファミリーは崩壊した。ホワイティは逃亡した。
200万ドル=2億4000万の懸賞金が掛けられたが、16年の逃亡の末
逮捕された。これで大スキャンダルが発覚し。彼は終身刑で現在服役中の由。
この映画の見所は(ジョニー・デップ)による比類なき冷酷ぶりと残酷さを見事に
表現したことである。監督は(スコット・クーパー) ジョニー・デップは
今までも「シザーハンズ」1990, 「スウィーニー・ドット」2007,「ダーク・シャドウ」
2012,で異形の恐怖を演じてきたが・・・
やはり現実の人間、生身の人間の冷酷=残酷の方が一番恐ろしい。
正に、外見といい(ジョニー・デップ)が今まで演じた中で一番怖い映画である。
コメント
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