いつの世でも 戦争を始めるのは年寄りである、
そして戦争で死ぬのは若者である。
時は1961年 米ソ冷戦・真っ只中の時代
ソ連は核搭載の原子力潜水艦の配備で、敵米国に
大きく遅れをとっていた。
よって、米国に対して牽制と威嚇を与えるべく
ソ連原子力潜水艦「K-19」に重要任務が与えられた。
北海域でミサイル発射実験を成功させ、さらに米国東岸沿にて
ミサイル哨戒するというものだ。
しかし、ソ連にとって最初の原潜といえるK-19は建設を急ぐあまり、
装備とりわけ原子炉の安全に大きな欠陥を持っていた。
北大西洋を抜け米国東岸に接近しつつあった時
原子炉に亀裂が発生した、炉心溶融が始まったのだ。
このままではヒロシマの数倍規模の核爆発が起こってしまう。
艦長(ハリソン・フォード)副長(リーアム・ニーソン)の
二人の指揮官はその戦争の手法を廻り、悉く対立する。
しかし私には所詮、同じ種類の人間であると思った。
原子力=放射能被曝は悲惨な結果を生む、
NHK特集、東海村原発事故
(1999年9月30日発生)で被爆者の治療シーン(2003年10月11日)
放映を観たが、あまりの惨さに目を伏せてしまった。
強度の被曝は人間の設計図ともいえるDNAをバラバラに破壊する。
こうなると人間を維持できない、否!生物ですらなくなる結果を生むのだ。
多分、当時の原子力関係者も放射能の本当の恐ろしさを知っていまい。
ましてや軍人など目に見えない放射能など「へ」でもあるまい。
よって若いクルーを原子炉の中へ7人も送り込んだのだ。
作戦遂行のため、お国のためといえ、確実にしかも悲惨な死を迎えるに、
「安全だ」「大丈夫だ」といって送り出した上官は、無知で愚かだ。
これらの上官まで英雄として画いた、ハリウッド映画と製作者兼主役の
H・フォード と監督が女性で驚いたがキャスリン・ビグロー の二人の
製作者に少々嫌悪を覚えた次第。
対照的に、北海の氷上で無邪気にボール遊びをする若いクルー、
記念写真に笑顔を向ける若者達は、妙に可愛く、何か不憫で、
涙が出てきた。
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