キルビルといえば、B級映画、B級映画といえば「石井輝男」
しかし2005年8月にご逝去された。石井監督について一言。
つくづく、この人は凄い監督さんだと思う。
私の(映画好き人生)の中で節目、節目に不思議と観ているのです。
私の幼少のころは、SFもの「スーパー・ジャイアンツ」('57~58)
を創ってくれた。日本のスーパーマン宇津井建さんのモッコリタイツ
姿が懐かしい、ヒロインは三ツ矢歌子さん。美しかったナ~
そして少年時代は東映の集団ギャングシリーズに夢中だった
「ギャング対ギャング」('62)、名作「十一人のギャング」('63)
正に日本のハード・ボイルド映画だ。片岡千恵蔵、鶴田浩二、
特に丹波哲郎が格好よかった。
しかし東映がギャング路線から任侠路線に変わりガッカリした記憶
があります。でもこの集団ギャング路線は、後の「仁義なき戦い」
の源流になったと思いますヨ。
そして好青年時代の「網走番外地」シリーズ('65~67)高倉健が一番
元気なころ、いよぉ~建サン!待ってました。と叫んだものです。
私は東映の「任侠もの」はあまり面白いと思わないのですが、
石井監督のヤクザものは何か明るくて好きでした。
そして発情青年時代に、東映のエログロ異常性愛路線('68~70)を
創ってくれた。その辺のポルノ映画など問題にならぬほどエロだった。
人目を忍んでコッソリ映画館へ、私はシリーズ中毒状態だったのです。
徳川シリーズ、刑罰シリーズ、猟奇犯罪シリーズ、映画の色調は
正に、原色えのぐベッタリのドロドロ状態「徳川女系図」から
「徳川女刑罰史」「徳川いれずみ師責め地獄」と当時は連続でした。
美形な殿様(吉田輝雄)に、女達が群がって来る内容です。
私のお気に入りは(橘ますみ)さん!(賀川雪江)さんも良かったナ~
助平な悪党は(名和宏)とか(小池朝雄)や(渡辺文雄)だったと記憶。
役者とはいえ、人前でよくぞこんな醜態をさらけ出す事出来るものだ
と感心するほどのH熱演だった。
又、こんな映画を好きな自分は異常なのかと悩みながら観てました。
なんと言っても極めつけは「明治大正昭和猟奇女犯罪史」('69)
実在した毒婦達や猟奇的性犯罪をドロドロと再現、人間の性欲は
無限なのか?と錯覚するほどだ。たしか罪人の絞首刑シーンが生々
しくあり、ショックを受けました。
最後にあの(阿部定さん)本人へ橋の上での直インタビューシーンが
あり驚いたものです。この映画「地獄」('99)の原点かもしれません。
この監督の凄い所はジャンルが広いこと、多作だったこと、そして
私の場合、石井作品だから観たというより、観て面白かった映画が
石井作品で、観た後は病付きになってしまう事でありましょう。
近年復活され、活躍されておられる由、残念ながらまだ「地獄」を
観ておりません、是非是非、石井作品に再会したく思っております。
コメント
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