最近邦画結構がんばってる。
本当ですネ 邦画、とりわけ時代劇ががんばっています。
「たそがれ清兵衛」に引続き、この「壬生義士伝」もすばらしかった。
それも、かなりレベルの高い秀作と思います。
「壬生義士伝」は「その後の、たそがれ清兵衛」と言っても過言でない、
共通した内容と風味です。そこで両者比較してみました。
題名 壬生義士伝( みぶぎしでん) たそがれ清兵衛
時代 幕末1865~1868鳥羽伏見で没 1860~1868五稜郭で没
主人公 吉村貫一郎(中井貴一) 井口清平衛(真田広之)
年齢 30~34まで 30位か
藩 盛岡南部藩、脱藩し新撰組へ 庄内海坂藩(庄内藩)
20万石藩、戊辰戦争で敗退賊軍 12万石戊辰戦争で敗退賊軍
身分 足軽同心 足軽
収入 ニ駄ニ人扶持(極貧) 五十石(貧乏)
剣術 北辰一刀流免許皆伝 戸田流(小刀)
藩道場の師範代 師範代
太刀 使い込んで痩細った真剣 刀は竹光、脇差のみ真剣
学問 藩校の助教 出納お蔵役
妻 しづ(夏川結衣) 先妻死去、のち朋江(宮沢りえ)
子供 息子2 娘1 娘2 母1
風采 風采全く上がらぬ田舎もの これまた風采はさえない
ぼろ着 月代(サカヤキ)のび放題 ぼろ着 月代のびたまま
口癖 「おもさげなござんす」 「いただけるでがんしょか?」
付合い 給金は全て田舎に仕送り たそがれ時に真直ぐ帰宅
金は使わない、遊ばない 酒席に付合わない
生甲斐 家族を守ること 子供が成長していくのを見る事
家族に生活費を送ること
原作 浅田次郎(1951生) 藤沢周平(1927~1997没)
1997「鉄道員」で直木賞 1973「暗殺の年輪」で直木賞
音楽 久石 譲 冨田 勲
監督 滝田 洋二郎 山田 洋次
いや~驚いた、こうして比較すると、監督の名前が似ている事判明した。
原作者は堂々たる直木賞作家ですから、優れて面白いはずだ。
主人公は正に下級武士であり、生活は貧しい、風采上がらず、
しかし本当は優れた剣客であり、強いのだ。
家族を愛し家族のために、忍従の勤めをしているのだ。
高度成長時代、バブル時代の時代劇は英雄、将軍さま、粋な若殿が
主役だったが、今彼らは姿を消した。もはや共感を得られないのだ。
今は、従来主役に成り得なかった人物、自分の風采などかまわず、
家族のため、生活のため一心不乱に働く、冴えない下級侍が主役に
なる時代なのだ。これは正に不況・リストラ時代のお父さんの姿
そのものだ。正に、おとうさんの底力を見せる映画なのです。
「たそがれ」で感動し、日を置かず「壬生」で同じ感動を味わえた。
邦画万歳、時代劇万歳、お父さん万歳、よし!私も頑張るぞ・・・
・・・本日は長くておもさげなござんした。
コメント
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