やはり「キル・ビル」!評価が分かれる映画ですネ
これは映画の出来・不出来の問題ではないと思います。
これは、この手の映画の好き・嫌いの問題でしょう。
私は、よく出来た映画だと思いますヨ。
A級映画を、わざわざB級モードに崩して仕上げたのです。
(クエンティン・タランティーノ)監督はいわゆる確信犯なのです。
今でも、製作される映画本数の80%はB級映画でしょう。
私の場合、シネコンで迷った挙句、入場するのはB級映画の方。
また、ビデオショップでついつい借りてしまうのもB級の方、
これは私の全く私的印象なのですが、
同じB級映画でも、スピルバーグやルーカス登場以後のB級映画と
昔60‐70年代のB級映画とは質的に異なると思います。
スピルバーグ以後のB級映画は内容が荒唐無稽でも、映像技術や
CG利用でメジャー的なA級に仕上げてしまうようになった。
金も掛け、宣伝もし、内容も教育的な配慮をしている様に思える。
その点、昔のB級は、いわゆる何やら「淫靡(いんび)な臭い」が
したものです。カラーも濃い色、音楽も大音響で画面が替わる度、
ブッツぶつと切れるし、画面もアップを多用する、ほんと暑苦しい
映画だった。
映画の内容も、悪人は同じ人間かと思うほど露骨に悪い、
しかも筋金入りのH、結果・・女は尽く犯される。
ヒーローは溜まり貯まった怨念で悪党をやっつける。
「カンフー」「マカロニ・ウエスタン」「ギャング」そして
日本の「任侠」「ヤクザ」や「エロ路線」に共通する概念だった。
今のシネコンと異なり、3~4本立て、幕間にはダンスホールの如き
音楽がうるさく掛かる。映画がはじまると場内は真っ暗、そして場内に
漂うトイレ臭が正にB級映画を象徴していた。
少年にかかわらず、私の好きな映画は(石井輝男)監督作品だった。
「ヤクザ」も「エロ時代劇」も「喜劇」もなんでも来い!
早撮り=小予算=B級映画の王者だった。
青年時は(深作欣二)監督の「仁義なき戦い」にのめり込んでいた。
Q・クアランティーノは石井輝男と深作欣二の影響を受けたとの由
ならば正に私の人格形成(B+H映画好き)と同じ・・なのです。
本映画オープニングは懐かしき曲シェール「バン・バン」ではじまった。
これで私は、見事に60年代のB級映画の世界へ、トリップしたのです。
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