清み~ず 港な~との名ぃぃ~物は♪
お茶~の香~りぃぃと、お男とこ~だぁて~♪
という訳で「次郎長三国志」に一言
私がまだ幼く、まだ神童だと思われていた頃の楽しみといえば
親に連れられて行った、映画劇場。
その当時の映画といえば、時代劇と相場が決まっていました、
旗本退屈男とか、新吾二十番勝負とかネ、そして正月映画は
オールスター勢ぞろいの次郎長ものを頻繁にやっていました。
その次郎長ものと言えば、マキノ雅弘!マキノ雅弘といえば
次郎長!というぐらいに、マキノ監督は何本も次郎長ものを
作りました。
調べてみれば
東宝で1952~54 で9本、東映で1963~65 で4本、日活で1955に
2本、その他単発ものも多数あり、合計次郎長27本にもなる。
マキノさん、このくらいやると、今の「清水次郎長」という
私達の持つ人物イメージを作り上げた人と言える。
私が観たのは東映の鶴田浩二の次郎長、一家では特に大木実の
大政が好きだった。
そして、その作品に子分増川仙衛門役で津川雅彦が出演していた。
津川雅彦はマキノ雅弘の甥である、その津川が堂々と監督名
「マキノ雅彦」を名乗り、今作の「次郎長三国志」を作り上げた
のです。これはもう血の因縁と言わざるを得ない。
マキノ雅彦は監督初作品として、あの粋筋と噺家の猥雑な世界を
見事に私達に開示し、「寝ずの番」'06を作り上げている。
「寝ずの番」は筋金入りの芸能一家に生まれ、幼いころからドップリ
と粋筋世界に身をおいた津川ならでは!の作品でした。
さて、久々の劇場用時代劇「次郎長三国志」は一家の立ち上げから、
子分との出会い、子分の素性やキャラクターを丁寧に表現し、
チャンバラアクションというより、人情ものに仕上げましたネ。
特に次郎長(中井貴一)と恋女房お蝶(鈴木京香)との夫婦愛に
どっぷり焦点を合わせ、出会いから死に別れまでを画いたのだ。
これは「寝ずの番」の続編かと思われるほど、死の床を丁寧に
丁寧に画き、時代劇というより愛情物語に仕上げました。
ハリウッドや中国のど派手なアクションや、ショートカットな映画を
見慣れてしまった私には、この丁寧さは少々辛いものに感じましたネ。
古典的な時代劇は勧善懲悪と、ど派手なチャンバラが魅力、
叔父マキノ雅弘は、正に娯楽痛快時代劇の代表選手だった。
そんな単純なのを観たかったです。
それから白状すると、私は幼いころから時代劇を見るたびに、必ず
街道を歩いている「鳥追笠の粋なおねえさん」に興味を惹かれました。
縦縞の着物に三味線もって、襟足美しく、きりっと啖呵なんか切って
女っぷっりを見せてくれたものです。
今回も例に漏れず(高岡早紀)さんがその姿で登場した。
露天風呂で見せてくれた観音彫り刺青の背中にゾックときましたゾ。
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