以前はマーベル・コミックのキャラとして何も感じず見ていたが、
今となっては見に詰まされる映画がある、それは「ハルク」だ。
優れた遺伝子工学の学者であるブルース・バナーは実験中に大量の
ガンマー線を浴びて以来体に突然変異が起こった、大きな「怒り」を
感じた時、な・な・何と!巨大な緑色の怪獣「ハルク」に変身して
しまうのだ。
ガンマー線とはまぎれもなく放射能であり、福島原発破損いらい日本
各地で安全基準以下かどうか測定される、それである。
日本映画の代表選手である「ゴジラ」'54は広島・長崎に原爆投下された
被爆国日本の怨念を込めて創られたもので、南太平洋の原爆実験により
突然変異を起こし巨大化した怪獣であるが、時が達につれ、その怨念の
出自はすっかり忘れ去られてしまった代物である。
「ダークナイト・ライジング」'12でも炉心溶融で中性子を発生させ、
ゴッダムシティーを全滅させようとする設定だが、映画界では(事実だが)
放射能(線)こそ人間にとり最大究極の恐怖として扱われる。
それが3・11以来、あまりに身近に日常的に放射能が放出されるゆえか、
その恐怖を感じなくなる(考えない)鈍感な我国になってしまった。
緑色の巨大なモンスター、「ハルク」(エリック・バナ)に変身すると、
もはや誰も止めることは出来ない、そのパワーは戦車も戦闘機を破壊し、
弾丸もミサイルまでも跳ね返す、彼のジャンプ力は山など一っ飛びする
ほどである。「アベンジャーズ」'12でも敵味方関係なく破壊しまくる
厄介者として登場する。
これを静止できるのは恋人である女性科学者ベティー(ジェファニー・
コネリー)のみであり、なんとか彼を助けようとする。
古くは「ノートルダムのせむし男」'23、「キングコング」'33の如く、
正に美女と野獣の悲恋映画であり、マーベルの他のキャラ、アイアンマン,
やファンタスティック・フォーの如く変身を楽しまない、自分の重い運命
を背負ぃてひっそり生きる姿に好感を覚えますネ。
監督は「ブロークバック・マウンテン」'05でアカデミー監督賞を見事受賞
した台湾人(アン・リー)さんです。
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