2013年の栄えあるアカデミー作品賞は何と「アルゴ」に決定した。
「意外な受賞」と思ったのは私だけではあるまい。
「アルゴ」はハラハラする面白い映画だが、アカデミー「作品賞」の
風格は無い。本命視されていたが落とされた(スティーブン・スピル
バーグ)の「リンカ~ン」こそ貰うべき映画であったと思う。
審査員たちの間で(スピルバーグ)はもう十分だろうという思いと、
「アルゴ」の監督でありながら、監督賞にノミネートもされなかった、
人気スター(ベン・アフレック)に対する同情票、いわば判官贔屓が
この映画に作品賞をもらたしたと推察する。
映画の内容は1979年のイラン革命、蜂起したイスラム民衆により
イランのアメリカ大使館が占拠され52人が人質となった。その直前
6人のアメリカ人がカナダ大使館に逃げ込んでいた。見つかればスパイ
として処刑されるのは確実である。CIAは6人の救出作戦を図った。
警戒厳重なテヘランからどう脱出するのか?正に「逆手取り」誰も
想像だにしない成功率ゼロの作戦を実行したのである。イラン内で
架空のハリウッド映画、しかもド派手なスターウォーズ張りのSF
映画「アルゴ」のロケを敢行し、スタッフと偽り出国させたのである。
「堂々と振る舞えば、疑われない」を実践したのである。これは実話
であり、これなら当時の人気TV「スパイ大作戦」の映画版と言える。
CIAの英雄的映画であるが、そもそもこのイラン革命も、その後
起こったイラン・イラク戦争、米英・イラク戦争などの混乱はこの
地域に対する米国の様々な干渉が原因である。その根本は石油利権だ。
そして因果応報、9:11米国同時多発テロに繋がったと言われている。
現在のエジプト、リビア、シリアなど全ての革命は、1979年のイラン
革命が発端であると思う。
その意味でこの「アルゴ」は単なるアクション活劇ではありませんゾ。
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