夜、少々疲れ微睡んでおりますと、居間から聞こえるジャズの響き
私の大好きなレイ・チャールズの「I can't stop loving you」では
ありませんか。娘が一人DVDを観ていたのです。
摩天楼の未来都市が崩れ落ちるシーンのスローモーション映像、
そのバック曲に、この「愛さずにはいられない」が掛っていたのです。
夢うつつでジャズとアニメ、何か不思議にマッチしたシーンでありました。
これは何かと尋ねると、なんと!あの手塚治虫の「メトロポリス」では
ありませんか!私が未だ神童であった頃没頭していた手塚漫画なのです。
この作品は手塚作品中でもバイブル的存在、その後の全ての作品は
この理念に基づいていると言っても過言ではないのです。
手塚治虫は正に日本漫画の始祖と言えるものだが、最初でありながら
かつ究極・頂点であろう。絵の技術も、コマカットも、そしてその
ストーリーもドラマチックで極めて格調高いものであります。
その後、多くの優れた漫画家達も輩出したが、手塚治虫に比べると
全て私小説の世界に見える程だ。
DVDのエンディングから観はじめて、最初に戻ったのだが、面白かった。
もはやテーマとしては新しいものでは無い、しかし哲学的普遍的な
内容を含んでいる。つまり今人類が遭遇しつつある危険、
人工知能と生体生命をもてあそんだ結果の酬いを暗示しているのです。
手塚漫画の面白さは、そのスター・システムにあると言えましょう。
漫画の登場人物は役者の様な者、あらゆる作品でどんな役でも演じる
スターなのです。ヒゲオヤジ、トランプ、ハムエッグ、スカンクなど
特に脇役が魅力的ですネ。
監督はTVで「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」映画アニメで「火の鳥」
を創ってきた筋金入りの手塚漫画プロデューサーの(りんたろう)さん
彼は、この古典的バイブル「メトロポリス」を創らないではいられ
なかった。その意味で、この映画の主題曲「I can't stop loving you]
は正に彼の心を歌ったものでしょう。・・・判るナ~・・・・・
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