ナオミ・ワッツ)は私の好きな女優、ということで
「マルホランド・ドライブ」をDVD鑑賞しましたので一言。
劇場上映時(2001)、仕事疲れで居眠りも入り、
全く理解不能でありました。
妖艶なレズ・ラブシーンと薄気味悪いカウボーイの顔が
妙に心の隅に引っ掛っておりました。
監督は不条理映画の大家(デビッド・リンチ)ですので、
あまり辻褄を求めても詮無き事と判っていても、
今回DVDで再度検証に挑戦しました。
内容は「ツイン・ピークス」の如く群像劇だ。
本来群像劇の面白さは各パーツの登場人物が、
それぞれ面白いエピソードを起承転しながら
最後に一箇所に集結して「結」に導くものである。
しかしD・リンチは我々の不安感をギリギリ「転」まで
昇り詰めさせておいて、最後にわけわからぬ結、
不条理な結でオチ(これをオチとは言わぬかもしれない)
を着けたのだ。
映画のラスト小人の老夫婦に追いかけられるシーンは
何だろう?D・リンチの出世作「イレーザヘッド」('77)の
ラストでラジエーターから出てきた小人シーンの単なる
追憶とも思える。
今回DVDで数回繰り返して見た。DVDのおかげで
各エピソードは面白いほど密接なる関係がある事は判った。
しかしそれぞれのエピソードにまともな結がない事も判った。
劇場で理解不能だったのは眠気のせいではなく、
映画自体のせいだったのだ。
しかし許せる!いかに辻褄あわなくても観終わった後、
観た~!という満足感で満たされていたからである。
前作「ストレイト・ストーリー」'99も中々味のある、
まともな秀作であった。しかしD・リンチの本籍地は
あくまでも異形と不条理の世界
(エレファントマン、ブルー・ベルベット、砂の惑星etc)なのです。
やはりこの世界から作品を出して欲しいものです。
さてナオミ・ワッツ、なかなか演技者と見た。
あの映画女優を夢見て田舎からハリウッドに出てきたばかりの
ハツラツさと、泣きながら一人オナに耽るみじめさを見事に演じ分けた。
やはり 後の大ブレイクする女優さんは違いますネ
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