ゼロの焦点」’09の感想を書いたからには、忘れてはならない
もう一つの不朽の名作、松本清張の代表作品「点と線」’58に
ついて一言。
この小説は昭和32年(1957)から1年間「旅」に連載され、
これも当事大変な話題となりベストセラーとなった。
1958年早々に映画化されました。
九州博多近くの海岸で男女の情死体が発見された。
この二人は東京駅で汽車に乗り込む所を目撃されていた。
刑事はこのあまりにも偶然で4分間という短い目撃に
不審を抱き、この目撃者を疑った。
しかしこの男には北海道に出張中のアリバイがあったのだ。
当事の汽車、青函連絡船、などの時間表を利用した完全犯罪
が成功するのか?時刻表完全犯罪ものの元祖といえる。
さらに、この犯罪の動機は「官製汚職」隠蔽のためであった。
当事から現在にいたるまで汚職のたびに役人の一人が自殺
し落着となる。これを予見した(松本清張)
正に社会派小説家と言われる所以がここにあります。
映画では、刑事に追われる会社経営者(山形勲)のふてぶてしい
存在感に圧倒され、保身に走る官僚(三島雅夫)の狼狽ぶりが
これまた旨い。そして
九州のベテラン老刑事(加藤嘉)のリアリティーぶりと
見所満載ですので是非一見を。
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