さて2017年の見納め映画は「オリエント急行殺人事件」でした。
一年の手仕舞いに相応しく、私の最も好きなジャンルの映画を見る
ことができました。
皆さんご承知の通り、英国推理小説の女王(アガサ・クリスティー)の
1943年の代表作です。Aクリスティーは82才で亡くなるまでに
185の作品を創作した。世界で最も読まれた作者としてギネスに
登録されています。
「オリエント急行殺人事件」は43年前1974年に(シドニー・ルメット)
監督で映画化されており、当然、大フアンの私は封切りで観ております。
当然今回の新作も早々に劇場に飛んで行った次第。
2017年版と旧作1974年版との大きな差は「CGとSFX」を
多用した映画技術の進歩に尽きますネ。オリエント急行の勇壮な
走行シーンと、車内のドラマは車窓の景色がどんどん変わる中で展開
する。汽車の旅がいやが上にも盛り上がって来る。
欧州とアジアにまたがる古都イスタンブールを出発しブルガリアの草原と
山脈を昼夜通して走り続けるさまを上空から見せてくれた。この優雅で
オリエント的ノスタルジックな画像に私は一挙にこの世界に入り込んだ。
監督兼主役の名探偵エルキュール・ポワロ役に(ケネス・ブラナー)
今までのポワロのイメージである肥満型&オタクを排し、ダンディーで
スマートなポワロ像を創り出した。
Kブラナーは英王位演劇学校を主席卒業し、シェクスピア役の第一
人者、当時(ローレンス・オリビイエ)の再来と言わた。そのせいか?
2011年の「マリリン7日間の恋」ではマリリン・モンローと絡む(ローレンス・
オリビイエ)を演じている。
余談だが(ケネス・ブラナー)の元妻は(エマ・トンプソン)彼女は英国
ケンブリッジ大学卒の英文学の才媛、英国女優の代表格でアカデミー
主演女優を受賞している。二人とも英国文学映画の大家であった。
オリエント急行殺人事件はあまりにも有名な小説ゆえ、皆さんストーリー
はご承知ゆえハショリますが、殺された男(ジョニー・デップ)が品の悪さ
を好演し、公爵夫人(ジュディ・デンチ)さすが存在感が凄かった。
評価すべきは、この映画のプロローグだった。ポワロがイスタンブールに
到着する前にある事件を解決していた。それはエルサレムの教会から
壁画が盗まれた。容疑者は3人で、ユダヤ教のラビ、キリスト教の
神父、イスラム教の預言者であった。エルサレムは3大宗教の聖地で
、民族対立のメッカである。混乱は必須であった。
ポワロは推理した。3人の聖職者に盗むメリットは無い、メリットがある
のは混乱すれば統治と支配が継続する英国の警官であると!正に
逃げだした警官が捕まった。このプロローグはエルサレムに手を出すな!
という警告であったのだ。
しかし米国トランブさんエルサレムをイスラエルの首都に認定した。
混乱と戦争必須!また米国の武器が売れる!真犯人はトランブだ!
コメント
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