ソ連映画「惑星ソラリス」’72 のリメイク 米国映画
行きつけのビデヲショップ、相当なるDVD本数をそろえているものの、
殆どは借り出され、展示棚は空箱のみ。その中でたった1本しか備えが
ないにかかわらず、寂しく残っているDVDがあった。「ソラリス」
ふむ~、最新DVDなのに借残された1本、それこそ、この映画の性格を
物語っている。名作なれど、地味で人気なしか、ふむ~
そういう私も封切り時、劇場には行かなかった。何故か?それは元祖
1972年のソ連製「惑星ソラリス」があまりにも退屈な映画だったから。
先立つ1968年、スタンリー・キューブリックが究極のSFを作り上げて
いた。「2001年宇宙の旅」である。あまりにも鮮烈に登場した。
その映像と難解なストーリーに私はすっかり魅了されていた。
数年後、ソ連でタルコフスキー監督が「惑星ソラリス」を発表しました。
当時ソ連は「戦争と平和」'65-'68などの名作を作り出す、もう一つの
映画大国であり、宇宙開発競争では米国を一歩先んじた国でありました。
よって「2001」に匹敵する作品を期待していたが、見事に退屈。
ヒィロー、ヒロインの心理描写は良いとしても、宇宙船や惑星はお粗末
テンポは超スロー、意味なく東京の高層ビルも出てきたと記憶、なにか
難解な学生映画の様に思えた。(これ異論の方多々いると思いますが)
そんな後遺症を持ったまま米国産リメイクの「ソラリス」を見ました。
内容は元祖惑星ソラリスと同じ、閉鎖空間、宇宙ステーション内の
1幕舞台劇の様相。しかし、さすがソダーバーグ監督、丁寧に丁寧に
細かくじゅっくり表現した。
宇宙船と地球のシーンを見事ライトの色調で分離し、現在と過去の
メリハリを付ける。過去のメロドラマ世界と現在の無機質世界を対比し、
現在の孤独感を際立たせた。
人間だれでも、否!年配者には、裏切りの一つや二つ、愛する人を
徹底的に傷つけ、結果、愛を失った人がいるでしょう。
年を取ると、その時にもどり、その人に贖罪し、可能ならばやり直し
たいと心に秘めている人もいる。
惑星ソラリスは、そんな人間の贖罪の念、愛の修復を、宇宙船の中
に作り出す力があるのです。ヒロインはナターシャ・マケルホォーン、
この人に美しい幻想的な女を演じさせたら右にでる女優はいません。
主役はソダーバーグ一家の代頭ジョージ・クルーニーさん、
近年大物になりすぎたが、基本的にメロドラマが旨い役者ですネ
この映画DVDの見方は、自宅で電気を消し暗闇の中で、男一人で
ブランデーを飲みながら、昔のガールフレンドの顔を思い出しながら,
観るとよいと思います。
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