この日曜にふらり街に出たら、何とうれしいことに場末の劇場で
「阿修羅のごとく」がまだ上映していたのだ。
オープニングが良い、主役4姉妹のキャスト・クレジットを似顔絵
イラストで紹介した。
長女(大竹しのぶ) 次女(黒木 瞳) 三女(深津 絵里) 四女(深田恭子)
そして「阿修羅」の説明に入る・・言い争いの象徴とされるインドの
神のこと。表面的には仁義礼智信をかかげながら、実は猜疑心が強く、
互いに事実を曲げ、他人の悪口を言い合う…。混乱が予想される。
原作は向田邦子さん、原作というより脚本として昭和54(1979)年に
書き下ろしでNHK放映されたドラマであった。当時の演出は元NHKの名物
ディレクター、あのガハハの(和田 勉)さん、何と彼、最近セクハラで
罰金刑を受けた由、女の中の阿修羅を忘れた報いと推察。
主題曲はトルコ軍楽「ジュッディン・デデン(祖先も祖父も)」当時TVを
見た人はあの金属音の強烈奇異なメロデーは今でも耳に残っているはずだ。
24年後、森田芳光監督、筒井ともみ脚本で「阿修羅のごとく」映画で
リメイクしたのだ。今回原作から外れずオーソドックスな創りに好感。
私はもともと4姉妹ものが大好きなのです、姉妹助け合いながらも、
男を競っているのが誠に面白いからだ。いつも思うのだが、私も
何番目かの存在感の無い亭主になりたくなる。
4姉妹はもちろんのこと、母(八千草 薫) 父の愛人(紺野 美沙子)と、
私の好きな女優ばかりズラリと勢ぞろい、特に次女の(黒木 瞳)さんは
まるで普通の主婦を好演、しかし普通の主婦は悩みは尽きないのだ。
長女(大竹しのぶ)は、やはり演技派、不倫相手(板東三津五郎)との
だらだら関係を断ち切れない、女の自堕落さを見事に表現した。
男の妻(桃井かおり)との個性派対決は見ものである。
平和な家族であっても、一人一人には事件がある、事件の種は
やはり男女問題だ、ふだんは菩薩の様に寛容に見える女でも、
心の中は阿修羅ですゾ、男性必見の女性映画でした。ホント面白い!
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