事業が旨く行かない、ビルゲイツの様に成功し大金持ちになりたい。
ゴルフが上手くならない、タイガーウッヅの様にスーパープロになりたい。
女にもてない、福山雅治の様に格好良くて歌も旨くて、女達に囲まれたい。
もしなれるなら魂を悪魔に売ってでも、欲望を満たしたいと思うことがある。
しかし悪魔(メフィスト)と取引して栄光を手に入れても、最後は悲惨な
結末になるというのが定石である。
その代表はドイツの文豪ゲーテが60年の歳月を掛けた「ファウスト」である。
私は幼い時に手塚治虫のまんが「ファウスト」を読んでその存在を知ったが、
幼心に「悪魔に魂を売れば」栄光は手に入るという究極の手があると知り、
爾来悪魔は気になる存在となった。
話が長くなったが、私の気になる映画「エンゼル・ハート」(1987)に一言
この映画を観たときの衝撃はあまりに大きく、画像が頭から離れず本当に
しばらく悩まされたものだ。
時代は1955年のニューヨーク、うらぶれた私立探偵ハリー・エンゼル
(ミッキー・ローク)に仕事が舞い込んだ。人気歌手であったジョー・
フェバリットを捜してほしいというものだ。
この時代の私立探偵といえば、(レイモンド・チャドラー)が生み出した
ハード・ボイルド小説に出てくる(フィリップ・マーロウ)のイメージが
浮かぶが、このハリーは彼を自堕落にしたタイプである。
正にこの映画はニューヨークのハードボイルさと米国南部ルイジアナの
蒸し暑い気候と異様な風習(ブードゥー教)が全編を覆っている。
「タイムス」に務める親しい金髪女性がいる。彼女とS@Xしながら、
ジョーの消息を得るシーンはいかにもニューヨーク的である。
ハリーはジョーが戦争で負傷し帰還後入院した病院の医者を尋問した。
その後戻ると無残にも、医者は右目を銃で撃ちぬかれて死んでいた。
次にハリーはジョーの昔の音楽仲間を訪れた、ニューオリンズジャズが
流れるバーで尋問する。とぼける男、再度尋問で訪れると、何とその男は
剃刀でイチモツを切られそれを喉に押し込まれて窒息死していた。
ジョーの昔の恋人マーガレット(シャーロット・ランブリング)を訪問した。
彼女は占い師であった、しかも悪魔崇拝者らしい。ハリーは追い払われるが、
再度訪問した時、何と!彼女は胸を切り裂かれて死んでいた。
しかもテーブルの上に彼女の切り取られた心臓が置いてあったのだ。
次々おこる猟奇的な殺人、どんどん追い詰められるハリー、このままだと
殺人犯に間違いられ、電気椅子におくられる羽目になると心配になった。
不安に襲われたハリーはジョニーの愛人だった女の娘とベッドを共にする。
雨漏りが血に変わり部屋は血の海、その中で激しく性交を繰り返した。
一夜明けると彼女は股ぐらに銃を打ち込まれて殺されていた。
現場に来た刑事に言われた「電気で焼かれるゾ」・・・
猟奇的シーンの合間に、黒衣の女、二人の黒人尼層、鉄製アコーデオン
エレベーターの昇降の繰り返しとスタイリッシュなシーンが挿入される。
これこそ映像美監督アラン・パーカーの面目躍如であった。
依頼人ルイ・サーファー(ロバート・デ・ニーロ)がハリーに説明する。
彼の正体は皆さまお判りのルシファーつまり悪魔だったのです。
そしてハリーこそジョニーであった。ジョニーは悪魔との契約し、栄光を
手に入れた。その後悪魔から逃げるため、見知らぬ兵隊ハリーを殺し、
彼の心臓を食い、彼の魂を手に入れるが戦争で記憶喪失となっていたのだ。
悪魔は執念深い、ジョニーの手でジョニーに手を貸したの関係者を無残に
殺させた。これからジョニーは電気椅子に送られるでしょう。
原作はウイリアム・ヒョウツバーグの「堕ちた天使」でした。
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