(ニコール・キッドマン)がとうとう女優開花した映画だ。
パリにある(カジノ・ド・パリ)や(リド)のショー
ラスベガスにある(フラミンゴやMGMホテル)のショー
日本にあった日劇ミュージックホールのショー
全てムーラン・ルージュのショーが原点なのでしょう。
この映画のおかげで、パリ観光でディナーを食べながらの
Moulin・Rougeショーは益々人気が上がると思いますヨ。
それにしても(ニコール・キッドマン)がとうとう女優開花
した映画だ。
今までの彼女は美しくスタイル抜群であったが、存在感ある主役女優
とは思えなかった。常にこの映画の公爵の様な存在、あの(トム
・クルーズ)の庇護と企画、トムの妻という冠詞が付きまとっていた。
今回は映画の如くトム公爵を断ち切り、自分の道を選びましたネ。
しかも才能豊かなバズ・ラーマン監督とそのスタッフ達により
磨かれ、磨かれ、訓練され 見事な歌唱力を披露し、本当の主役に
なれたのだ。これを機に大女優の道を歩んで欲しいものだ。
さてストーリーは1900年の時代物ゆえ、歌と踊りの映画ゆえ
できるだけ単純な悲恋ものですませたのは全くの正解でした。
それを芸達者な脇役がコメディー風味に面白く仕上げた。
当時のキャバレーは男達が歌やダンスを楽しんだあと、好みの
踊り子を選んでベッドを共にする,正に男の桃源郷である。
また当時のキャバレーの舞台は金持ちのスポンサーを見つけて、
やっと公演できる程度なのだ。(恋に落ちたシェクスピア然り)
当然、金と権力のあるスポンサーが、舞台女優を手に入れる事が
できる世界である。これは江戸時代の花魁と大店旦那の関係に
見られる如く古今東西同じであろう、それが秩序でもあった。
この秩序を壊すと悲恋となる、高級娼婦(N・キッドマン)は
しがない貧乏作家(ユアン・マクレガー)と純恋に落ちたゆえの
悲しい恋の物語。
しかし気の毒なのは金を出した公爵(R・ロクスボロウ)である
私はこの人の方に感情移入してしまいキッドマンを憎みながら
観ていた次第です。
歌は時代に関係無く、ポピュラーが出てきてミュージカルに
中々馴染めない私でも、あっとの間に映画にのめり込みました。
特にH・ヒューストンのI will always love you の見つめ合い
duetにはつい笑ってしまいました。
ダンスのタンゴ曲はEl Tango de Roxanneであるが、
タンゴ自体がアルゼンチンの売春宿から発生されたと言われている。
正にあの待っている間の場面としては最適なダンスシーンでした。
それにしても、あのキャバレーには美女はキッドマンしか見当ら
なかった、多くは(パゾリーニ)映画に出て来そうな異形な女達
ばかりであったのが不思議に感じました。
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