伊藤美咲(みさき)には「薄幸の女」という言葉がよく似合う
白状します、
別の映画を見に行った劇場で、なにげなく眺めたポスター、
男女抱合の構図だが、伊藤美咲の透通る美しさに惹かれてしまった。
ふらふらと「海猫」の方に変更入場。こんなこともあるのですネ
美しいがゆえに不幸になる、幸せを求めるがゆえに不幸になる、
伊藤美咲(みさき)には「薄幸の女」という言葉がよく似合う。
舞台は最果ての北海道、しかも函館半島の荒波よせる寂しい漁村、
南茅部(かやべ)町、女がここの漁師に嫁いで来たところから始まる。
漁師(佐藤浩市)と薫(伊藤美咲)はふとしたことで出会った。
漁師は女の美しさに惹かれ、女は男のたくましさに憧れたのだろう、
祝言を終え、初夜を迎える、帯を解かれ恥じらい戸惑う女の表情は
正に日本的エロスの極み、そして網小屋での行為は夫婦愛の極み。
好き合って結婚した二人、しかし全てに漁を優先する男と、
漁師の妻になろうと努力するがなかなか馴染めない女、
夫はそんな妻に対して寛容になれなかった。
夫と姑の辛い仕打ちにじっと耐える漁師の妻、そんな義姉をじっと
見守る弟(中村トオル)がいた。彼は祝言の日から義姉に思いを
寄せていたのだ。
果たして、この兄弟と義姉は・・・・・・・・以下ネタバレ
いやぁ~兄弟というものはケーキ1個を取り合うが如く
嫁まで取り合うのか?
「船も浜も家も、全ぇ~んん部、長男(あにき)のものだ、
義姉(ねぇさん)さんくらい俺にくれてもいいべさ!」
全く乱暴な発言で少々笑ってしまったが、これぞ直球ストライク。
厳寒の海、漁師の妻の仕事は過酷だ、愛があれば耐えられようが、
女は孤立し孤独だった。唯一の支えは義弟の優しさであった。
そして女には実母(三田佳子)の熱い情念の血も受け継いでいた。
果して禁断の坂道を転がり落ちて行く。
主題歌 MISIAの「冬のエトランジェ」が余韻を残す・・・
いやぁ~
人並みの女なら、こんな結末にならなかったんでしょうに、
女はあまりに美し過ぎたのだ。皆に欲しがられ過ぎたのだ。
ご覧の女性の皆さんも気をつけてくださいませ。
最近のコメント