アメリカの田舎は恐ろしい、恐ろしく広い、特に雪が降る地帯は恐い、
恐ろしく寒く、たぶん人類未踏の土地もあるだろう。そこで、犯罪が
起こっても判らない、判っても犯人が捕まることは滅多にない。
場所は米国ワイオミング州のインディアン保留地「ウインド・リバー」
アメリカの先住民はインディアンである。
1830年「インディアン強制移住法」により、彼らは
豊かな自分の地を奪われ、不毛保留地へ追いやられた。
冬はマイナス30度の山岳地帯、農作物も育たぬ、産業も職場
もない、貧困、アル中、薬中、そして犯罪が蔓延する地となった。
草原の雪の中から若い女の死体が発見された。解剖の結果、
激しくレイプされていた。
おそらくマイナス30度の中を何キロも裸足のまま走って逃げた。
肺が凍結し破裂して死んだと検視官は推測した。
北国生れの私でも、これで死ぬとは知らなかったが・・・・
死体発見者は野生生物局員の白人ハンター、コリー・ランバート
(ジェレミー・レナー)だ。
新米の女性FBI捜査官ジェーン(エリザベス・オルセン)から
捜査協力を頼のまれ、この極寒の地で二人の捜査がはじまった。
死んだ少女はネイティブで、コリーの娘の友達だった。彼自身も
娘がレイプされ、山に捨てられ、遺体は無残にも禽獣に食い荒
らされた悲しい意過去を背負っていた。それゆえの協力だった。
犯人を追い詰めた。しかし捕まえず犯人をマイナス30度の
山中に解き放った。ライフルから逃げ果せたら助けると言うのだ。
裸足のまま全力で逃げる犯人、しかし肺が凍り、肺胞が破裂
し激しく血を吐いて雪の上に倒れたのである。
アメリカ社会における最初の人種問題、アメリカンインディアンの
現在の姿を画いた秀作である。
監督はアメリカとメキシコの国境地帯を画いた問題作「ボーダー・
ライン」2015、「最後の追跡」2916,と今作のフロンティア3部作を
作った(テーラー・シェリダン)さん、
この映画に限らずアメリカ人は荒っぽ過ぎる、ドラッグに溺れ、
銃を乱射し、やたらレイプに持ち込む、まるで獣そのものだ。
昨今、昔云われた「鬼畜米英」を感じる映画が多い。
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