いやはや、映画も続編が出るたびに荒唐無稽になるものだが、
最近、あらためて再開された新シリーズとその続編は荒唐無稽
ではなく、内容や映像が進・深化して行く傾向にある。
その典型が「猿の惑星」の新シリーズではないでしょうか?
そもそも元祖「猿の惑星」は1968年(チャールストン・ヘストン)
主演で上映された。精巧な猿の特殊メークに驚愕し、最後の
ドンデン返しに驚き、世界的な大ヒットとなった。
その続編は5まで作られたが、荒唐無稽になり飽きられて終了
した。2001年に一度リメークが作られたが、2011年新シリーズ
「猿の惑星・創世記」が始まり、更に「猿の惑星・新世紀」(2014)
、そしてこの度「猿の惑星・聖戦記」(2017)が創られたのだ。
新シリーズ(リブート)は現代の難病アルツハイマーの治療薬を
①「遺伝子操作」で開発し、猿を生体試験に使ったことから
はじまる。猿の脳は発達する一方②「猿インフル」が人間に感染
して、免疫を持たない人間は絶滅の危機に陥ったのだ。
僅かに生き残った人間と猿族は交戦状態に陥った。
さらに猿インフルウイルスに突然変異が起こり、人間から言語
能力を奪い、思考能力も奪い、どんどん動物になって行く、
人間が猿の家畜にされることを恐れた狂信的な米軍大佐
(ウディ・ハレスソン)は猿の根絶を計った。その思考はまるで
「地獄の黙示録」(1979)のカーツ大佐(マーロン・ブランド)に
思えた。
一方猿のリーダーであるシーザ(アンディ・サーキス)は人間との
共存を目指していたが、大佐に妻と長男を殺され復讐を誓った。
コンピュータモーションピクチャーが進化し、サーキスの演技が光る。
しかしやはりシーザは復讐を捨て、十戒のモーゼの如く、猿族生存
のあめに猿を引き連れて新しい土地を目指すのだった。
いやはや猿の方は深い洞察力を持ち慈悲、家族愛に満ち溢れて
いる、「エイプ(猿)はエイプ(猿)を殺さない」の教えを守る。
人間の方は無知で横暴、残酷の極み、昨今の人種差別、民族
浄化、自国ファーストの風潮そのものである。
同じ人間はじめ、あらゆる生き物を殺してきたのは人間であり、
21世紀は更に拍車が掛かっている。
監督は(マット・リーヴス)
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