2014年、時代喜劇「超高速!参勤交代」が大ヒットして、ブルーリボン賞
まで受賞した。 2匹のドジョウを狙った「超高速!参勤交代リターンズ」に
一言。
江戸時代の代表的制度として「参勤交代」と「改易、お取潰し」があった。
「参勤交代」は大名の家族を江戸に住まわせ、大名は1年から3年毎に
自所領から江戸に参勤するものである。これは人質差出の意味と、
参勤行列に莫大な経費を使わせ、大名の力を削ぐ狙いであった。
「改易=お取り潰し」は大名から身分と所領を没収するもので、懸念ある
大名を排除し、天領にして親藩や譜代を配して絶対的権力確保する
ものである。江戸時代を通じて何と248もお家が改易されている。
よって地方大名は落ち度の無い様に常に幕府を警戒せねばならな
かった。正に「大名はつらいよ」である。
元祖参勤交代で陰謀がばれて蟄居した松平信祝が恩赦で復権した。
彼は自分が罷免に至った「湯長谷藩」(福島)に対して恨み骨髄、
復讐に燃える信祝(陣内孝則)の執念深さぶりが誠に旨い。
その時、湯長谷藩の4代藩主・内藤正敦まさあつ(佐々木蔵之介)
は参勤交代の帰りの街道にいた。正敦は領民思いの藩主であったが、
何と!所領で百姓一揆が勃発していたのだ。
幕府は早々にこの藩の改易を決め、早々湯長谷藩へ目付を派遣した。
さぁ江戸から直行の目付と100人規模の参勤交代行列との競争が
始まった。前作同様、人夫を集め、カカシを使い、行列を装う、途中の
関所を騙して道中を進む。これが見どころのナンセンスドタバタ喜劇。
しかし一歩間に合わず城は改易されていた。一揆は柳生の偽装と
判り正敦と藩士達は改易兵を追出し城を取り戻すも、謀反として
信祝は幕府軍と柳生一族1000人で城を攻めて来た。
多勢に無勢でいよいよ終わりかという時に、大岡越前が現れ、信祝に
よる将軍吉宗(市川猿之助)の暗殺計画が発覚した。信祝は失脚
した。形勢逆転し、無事藩は守られたのだ。 めでたしめでたしである。
脇を固める家来が良い、西村雅彦、寺脇康文、六角精児、上地雄輔、
この映画は60年前の東映時代劇の喜劇そのものだ。当時の作品、
弥次喜多道中、旗本退屈男、水戸黄門のノリであるナンセンスで面白
満載、昔なら、伴 淳三郎、堺 駿二、大泉滉あたりの脇役どころ
→古いネ~!幼い私の楽しみは母につれられていく東映時代劇でした。
監督は本木克英
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