さて日本の年間[ 離婚 ]件数は206,205件
これは約2分に一組は離婚している計算になる。
夫婦で話し合う協議離婚が多く、次に調停、もめれば
離婚裁判で決着をつけることになる。
江戸時代は夫からは簡単に三下り半で妻を離縁できたが、
妻の方がどうしても夫と別れたい場合は、駆け込み寺に
逃げ込むしかなかった。当時そんな女性救済寺は日本に
二つだけで、上州の満徳寺と鎌倉の東慶寺であった。
この映画はこの東慶寺に逃げ込む女達のエピソードである。
期待してなかったが、いやぁ~面白かった。それもそのはず
何と!原作が井上ひさしの「東慶寺 花だより」であったのだ。
この駆け込みには ルールがあった。
当然女の駆け込みが発覚すると、夫や手先の者が追いかける、
つかまる寸前でも寺の前から、草履など何でも良いから持ち物を
門の中に投げ入れれば、逃げ込みが成立する。
門に入れば、寺役人が名前と住所を確認した後、御用宿に
渡される、御用宿は女から事情を聴き、夫に呼出状を出す。
後日両方の言い分を聞き、出来るだけ示談を図る、丁度今の
調停員みたいな役割をしていたのだ。
夫がどうしても離縁を承諾しない場合、女はこの東慶寺に24カ月
入門する、その間どんなことがあっても外出は許されない。しかし
足掛け3年の年期が済むと、夫は離縁状=再婚許可書を書か
ねばならない。晴れて離婚成立である。
今も昔も離婚にはわけがある、原作では15人の駆け込み人が
書かれているが、映画では5人の女のエピソードが画かれている。
お吟(満島ひかり)は豪商の妾、女の粋を貫くために店から
奔走した。浮世絵画の女のようだ。
じょご(戸田恵梨香)鉄練り屋を仕切る女将だが、夫の
放蕩に耐えかね駆け込んだ。
ゆう(内山理名)剣術道場の娘だが、道場破りに乗っ取られ
あげく略奪結婚させされた。離縁の暁は夫に復讐を図る。
おゆき(神野三鈴)寺で想像妊娠してしまう。
この御用宿(ごようやど)に見習い医者にして戯作者である
信次郎(大泉 洋)が居候していた。
ついつい手伝う内、調停委員の役割をはたしていたのだ。
いや~ビックリした 小説の信次郎はまるでこの(大泉 洋)を
想定して書き下ろしたように ピッタリしたキャラクターなのだ。
北海道のTVから出てコメディアンであった彼は、TV映画に引っ
張りだこである。映画「探偵はバーにいる」「アイアム ヒーロー」
TV「真田丸」その他CM多数と すごい活躍である。
もはや 昔 緒形拳、役所広司、渡辺謙 今大泉 洋だろう。
監督と脚本は原田 眞人 原作よければ映画も良し。
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