大阪の橋下市長が学校教師の「入れ墨」調査をした処10数人いた由、
もし、こんな不気味な竜の入れ墨(タトゥー)を入れていれば即クビに
なるだろう・・ということで「ドラゴン・タトゥーの女」2012 に一言。
舞台は厳寒のスゥーデン、首都ストックフォルムから汽車で北へ4時間、
「ヘデステッド」はスェーデンの大財閥ヴァンゲル一族の村である。
スェーデンの発展はこの一族で作られたほどの隆盛を極めた時代があったが、
今勢力は落ち、やや半分になったと言える。
その財閥の元会長(クリストファー・プラマー)から、40年前に起こった事件、
会長にとって最愛の一族の娘ハリエット失踪殺人事件の再調査の依頼を受けた。
そんな古い事件を今頃何故?と思ったが、会長は自分の人生のけじめとして、
この事件を解決して置きたい、しかも犯人は一族の誰かと確信していたのだ。
調査を引き受けたのはジャーナリストのミカエル(ダニエル・クレイグ)である。
彼は大物実業家の汚職スキャンダルを追求していたが、逆に名誉棄損で敗訴した
ばかり、損害賠償金で破産一歩手前の身、ある意味逃げる思いでストックホルム
を離れ、この村に来た。
彼の助手として選ばれたリスベットはモヒカンヘアーで鼻とクチビルにピアスを
入れたパンクな女、保護観察の身、反社会的、しかしハッカーの天才であり、
記憶力、直観力に優れ情報収集能力は半端ではない女、さらにしかし、背中に
不気味な竜の入れ墨があった。
財閥一族の人間関係は悪く複雑だ。ルキノ・ビスコンテ監督の映画を見ている
私には欧州の貴族や上流階級は退廃の世界と思っているが、今作の監督はあの
(デヴィット・フィンチャー)ですもの,更に猟奇が加わり、「セブン」'95、
「ファイト・クラブ」'99、「ゾディアック」'06の例にもれず、画面から血と
精子の臭いが漂ってくる。
スエーデン映画となると、(ステラン・スカルスガルド)が出ない訳が無い、
現財閥の会長として出演、調査に協力してくれるが、地元の大物役者ゆえに、
普通の役ではないだろうと思ったら・・・・
ミカエルの雑誌の共同経営者でエリカ役(ロビン・ライト)が良い、愛人に
して戦友で堂々たる不倫の関係だが、それがまかり通るのが大人の世界欧州。
彼女離婚してライト・ペンからペンがとれて 良い女優になったと思う。
それにしてもリスベットの(ルーニー・マラー)は凄い女優である。
凄いパンク振り、普段は無機質な両生(性)類が切れると牙をむき出す獣だ。
そして暗い過去と孤独な存在であることを見事に表現した。
見ていて、演技と思えず、本当にそんな存在であろうことを疑わなかった。
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