いくら私が文学好きでも、この手の物語を読むということは、
まずあり得ない。
しかし映画化されたため、その原作本と映画を比較すべく
遂読んでしまい、結果、結構馴染みになることがあるのです。
その代表が「ジェイン・オースチィン文学」といえましょう。
そのJ・オースチィンの本を読んで、本の内容をおしゃべりし合う
趣味の会が作られた。そのメンバーの人間模様を見せてくれる映画が
「ジェイン・オースチィン読書会」女性監督ロビン・スウィコードさんの
作品に一言。
世に趣味の会が多々ある、その手の会は職場とか学校と異なり、
あくまでも自分の好きな事ゆえ楽しく、またその会員もいろんな所
から集まって来て利害関係がない、しかし各人それぞれ社会があり、
個性があって誠に面白い関係が築かれるものです。
まぁこの 映画ブログも 会員に直接会うことはないが、
この読書会の様なものと言えましょう。
読書会の会員は女5、男1の6名、J・オースチィンの本
6冊を毎月1冊ずつリーダーを決め読書会を開いていくのだ。
2月「エマ」3月「マンスフィールド・パーク」4月「ノーサンガー・
アビー」5月「自負と偏見」6月「分別と多感」7月「説得」である。
ワインを飲みながら、時には野外で、時にはホームパーティーと
いう具合に、洒落た雰囲気だが、時には感情がぶつかる時もある。
メンバーは離婚歴6回の婦人(キャシー・ベイカー)を中心に、
独身主義の女性ジョスリン(メリア・ベロ)、夫から突如熟年離婚を
宣言されたばかりの妻、教え子に心を奪われ精神不安な高校の女教師、
レズビアン主義の若い娘、黒一点グリッグ君(ヒュー・ダンシー)は
ジョスリン女史に人目惚れしたので、この会に加入した青年である。
本の登場人物への評価もまちまちであるが、やはり今置かれている各人
の生活を反映したものだ、つまり意見とは自分の立場の投影なのです。
その各自の生活と読書会が交互に描かれ面白い映画に仕上がっています。
J・オースチインは19世紀の英国を代表する女流文学者でありますが
ドラマチックな歴史文学とか、崇高なる精神論を述べるのではなく
只只英国の上級市民階級の子女の恋愛&結婚物語であります。
正にJ・オースチィンは自分の家庭と近所隣とその人物を良く観察し、
メモをとり、当時の生活ぶりと恋愛観を豊かな感性で表現したのです。
当時の風俗や生活資料としても面白い。
私がJ・オースティンに触れたのは映画「いつか晴れた日に」1995、
の原作「分別と多感」を読んで以来、そして映画「プライドと偏見」
2005を観た後、原作「自負と偏見」まで読んでしまったのであります。
本は会話が多く、ユーモアもあるが一方トゲもあり、誠に面白い。
ある意味J・オースティンは19世紀の橋田須賀子みたいだ、正に
「19世紀の渡る世間は鬼ばかり」文学だと思いました。
映画は正に「雑学の宝庫」ですネ。
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