歳をとると思い込みや、勘違いが激しくなる、その典型がこの映画だった。
主演はマット・デイモンから今最も旬なジェレミー・レナーに替わったが
題名は「ボーン・レガシー」直訳すると ボーンの遺産。
TVでの映画宣伝ポットで「ジェイソン・ボーン」シリーズ第4弾!と銘打ち。
第一作の(ジョアン・アレン)の名もあったので、この映画は主役をJ・レナー
に若返らせた「ボーン・アイデンティティー ビギニング」かと思い込んでいた。
オープニングは厳冬のアラスカ山中、山越えや狼との死闘など、命がけの過酷な
訓練シーンからはじまった。
個人的な話で恐縮だが、私も若い時アラスカの山中で仕事をしていたので
美しく懐かしい景色に感動した。
前3作で判ったことだが、米国CIAの極秘プログラム「レッド・ストーン」
計画とは、米国政府にとって好ましからぬ相手は、外国の首脳であろうが、
米国民まで暗殺する。それが最も確実で経済的コストであることから、それを
実行する完璧な暗殺者を養成する計画であった。
そして今作では、さらに強化し薬品による遺伝子操作で超人的な暗殺マシーン
を作り上げる計画「アウトカム」を同時進行させていたのだ。
正に目的のために手段を選ばぬ米国、荒唐無稽なマンガの様な計画を立て、
それを実行する米国らしい映画である。例によって米国CIAは逆襲を受ける。
見ているうちにやっと判った、彼はジェイソン・ボーンでなく、大ヒット映画
からスピン・オフした新しいヒーローなのだと、柳の下に4匹目のドジョウを
狙った映画であり、私の様に勘違いして観にいった人も多々あろうと推測。
今回の悪党CIAチーフは(エドワード・ノートン)、彼を起用したなら、
もう少し悪知恵を働かせて、主役をもっと苦しめるべきと思った。
ヒロインに(レイチェル・ワイズ)、彼女はアカデミー授賞の演技派ゆえ少々
重い、アクションとオートバイチェイスの連続ならもう少し若い女優さんを
使うべきと思いましたネ。監督は前3作の脚本家(トニー・ギルロイ)さん。
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