いやはや、この映画によって私はすっかり北川景子の虜になって
しまいました。
藤沢周平原作の時代もの「花のあと」の映画化である。
2008年の藤沢作品「山桜」のプロデューサースタッフがもう一度
藤沢作品を作りたくなったと推察します。
まぁこの2作は何か共通するものがあります「封建時代の女性の初恋」
「恋に桜はつきもの」というところでしょうか?
両方とも桜の木の下で「卒爾ながら・・」と突然に侍が現れ、女は
ほのかな恋心を抱く。
この「花のあと」の原作は短編である、その原作の登場人物をここまで
表現できた映画を絶賛したい。私はこの映画を見て、いかにキャスティ
ングが重要かということが判った。この映画の成功はここにつきます。
まず主人公・以登(いと)を演じた北川景子、すばらしいの一言
封建時代の女性には厳しい制約がある、その中で精一杯自分らしく
生きようとし。そして強い正義感をもっていた。
一人娘の以登は、幼いころから父から剣術指南を受けていた。
師範代の江口孫四郎(宮尾俊太郎)との試合における彼女の竹刀
さばきは見事であった。映画メーキングをみたが、最初殺陣師の先生は、
これは全くダメだと思ったそうだ。しかし北川景子は毎日木刀を持ち
歩き練習につぐ練習を重ね、見事剣道を体得したという。
父 寺井甚左衛門(國村 準)がまたいい~んですワ
娘と交わす言葉は少ないが、娘の気持ちを忖度し、娘を気づかう
彼の目の演技は秀逸である。
母 郁(相築あきこ) 封建時代の妻の役を好演、背筋をキチットのばし
家事をこなす、清楚な感じに好感、この人TVコマーシャルに出てますね
以登の許婚 片桐才助(甲本雅裕) この映画で一番冴えない昼行灯の
ようなキャラ、しかし本当の男はこうゆう人を言うのです、見かけでは
ありません、心根やさしく、いざとなると頼りになるのが男なのです。
そして何といっても、この映画の悪役 藩の御用人 藤井勘解由(かげゆ)
(市川亀冶郎)いやぁ~ さすが歌舞伎役者旨い!日ごろから和服を着慣
れ日ごろの生活が時代劇風ゆえ、目つき、手つき全ての仕草が堂に入って
いる。
「武士の一分」’06の悪役・島田藤弥の坂東三津五郎もそうだったが、
歌舞伎役者に悪人をさせると、善人顔の裏にある不実や私欲を本当に
旨く演じます。
映画は「我と娘の 信頼関係を考えつつ」見ておりました。そして
日本人が一番我慢強く 一番美しかった時代の物語と思いました。
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