「柘榴坂の仇討」2014を見た感想を述べましたが。
この「柘榴坂」は暗殺された大老・井伊直弼のお家「彦根藩」側
の映画でした。これでは片手落ち思い、暗殺者を出した「水戸藩」
側に立った映画を紹介します。それは「桜田門外ノ変」2011 であります。
原作は歴史小説の大家、故(吉村 昭)ゆえ、事件の経緯と結末を、
かなり詳細に調べてたものであり。原作は読むべき価値あり。
主人公は暗殺者の桜田十八士の一人で現場指揮官を務め、
多くの日記も残している人、「関 鉄之介」(大沢たかお)である。
そもそも水戸藩は水戸黄門(光圀)いらい水戸学(国学、史学、
新道)のメッカであり、全国の侍が一目置くところである。
その藩主・徳川斉昭(北大路欣也)がまたカリスマ的存在であった
がゆえ、時の大老・井伊直弼(伊武雅刀)と対立した。
①日米修好条約の是非で対立したが、その実はやはり!
②将軍の継嗣(斉昭の子である一橋慶喜を擁立)という
権力闘争であった。結果は直弼に敗れ幕閣から排除され、
味方が粛清されるという「安政の大獄」がはじまったのです。
水戸の家来達は殿の心中無念を察し、直弼の天皇不遜に怒り、
大獄の恨みを晴らさんと、18名は脱藩した上で暗殺団を組織し、
1860年3月24日江戸城桜田門外にて井伊直弼の首を跳ねた。
しかしネ、水戸藩主斉昭はそもそも徳川家のヒトですヨ
薩摩と組んで、徳川幕府を倒すなんて全く考えてない!
結果、「お家安泰」のため自分の家来を謀反人とした。
水戸暗殺団が頼みとした、薩摩藩の抗議上洛も中止となり、
完全に水戸藩の侍は犯罪者として見捨てられたのだ。
自刀したもの、出頭したもの逮捕されたもの、次々と白洲で
打ち首となったのだ。
殿さまの思想を信じ、殿のアジ演説に乗って、殿の心中を忖度
しすぎたら、心底は全く違っていたという結末に 下級侍の悲哀を
感じるばかりでした。
しかしこの事件をきっかけにして尊王攘夷は一挙にすすみ
徳川幕府は滅び 明治となるのです。いやはや映画を見ると
それをきっかけに改めて歴史の勉強になりますワ・・・・
監督は(佐藤純彌)さんだが、少々辻褄あわぬシーンがあった。
白州で一人一人打ち首を言い渡されるシーンの長い事長い事、
暗殺の密談を偶然隣で聞かれたこと、偶然耳にし侍と果し合い
になることなど変だ!そうかこの人「新幹線大爆発」1975とか
「北京原人」1997を作った人なら しかたないか!
コメント
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