最近の邦画は見ごたえありますネ!
優れた原作があって、それを映画化したものは特に素晴らしい。
この「孤高のメス」も現役の医師(しかも僻地医療)にして作家である
(大鐘稔彦 おおがねなるひこ)氏のベストセラー小説(6巻120万部)
の映画化である。
しかし既に映画化の前に、この原作はコミックで連載されていた。
作画は(やまだ鉄太郎)氏によって画かれており、これも一見の価値ある作品で
あります。
舞台はちょうど22年前の昭和から平成に変わった年、ある地方の
私立病院に外科医当麻鉄彦(堤 真一)が赴任してきた。
市長(柄本明)の強い要請により、米国ピッツバーグ大学病院から
帰国した直後来てくれたのだ。こんなエリート医師がこんな田舎に来る
ことは異例の事だった。
腕は超一流である、そして何よりも「目の前の患者を救いたい」という
強い信念を持ち、次々と患者を治療する。都はるみの「アンコ椿は恋の花」を
がんがん流しながら手術をする変わり者であった。
彼の出現により看護師(夏川結衣)は失っていた看護意欲を取り戻し、
手術のアシストに専念する。
この病院は「治療もお粗末であり」「やる気なし」無責任で実際医療過誤も
発生していたのだ。当然旧体制の医者の妨害があった。
いやぁ~さすが 原作者(大鐘)が現職の医者であり、僻地医療の実践者で
しかも作家ゆえ医療世界の問題点を、この映画に凝縮している。
医は算術か仁術か? 医者はエリート集団か3K職場なのか? 医者のモラル
医療ミス、地域医療の実体、生体肝移植、脳死、医療費、警察、マスコミの姿勢。
など要所に提起されている。
いやぁ~ しっかりした医者と病院に掛からねばあの世に行ってしまいます。
一昔前、日本映画は(高倉健)と(緒形拳)が支えていた。そのあと(役所広司)
今は(堤真一)と思える。今女優は(夏川結衣と余貴美子)が圧倒している。
そして脇役だが江本明や平田満、最近は(生瀬勝久)など おわらい劇団出身者
が存在感を出している。 やはり苦労人の実力派は旨いですね。
コメント
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