テレビニュースでよく北朝鮮の女アナウサーの「まくしたて」を聞いて
いるので朝鮮語というのは、はげしく、耳障りな言語と思っていた。
今回、映画「ホテル・ビーナス」を観て認識を変えた。美しい言葉!
まるで流れるフランス語の如く心地よいのだ。
何ゆえ全て韓国・朝鮮語か?(日本語字幕付き)
舞台は南・北朝鮮ではない、よくロシア国境や、中国国境に朝鮮族が
住んでいるが、そこが舞台でもなさそうだ。
どうもこの映画、全てにわたり必然性が無い事を前提に成り立っている。
何ゆえ白黒映画なのか?これも監督や製作者のネライなのだろう。
日本音声を一切排し、色も排除することで、現世界から乖離させ、
我々をホテル・ビーナスという小さな世界に見事に誘い込んだ。
今の世、傷ついている人だらけ、むしろ無傷な人などいない。
現代の傷付きびと達が、この掃溜めのホテルに流れ着いたのだ。
ホテルのオカマ主人(市村正親)はホテル住人の悲しい境遇を見続けて
来た。しかし他人の人生には入り込まない、見守るだけ。
ホテルを手伝う男チョナン(草薙 剛)もホテル住人だ。深い傷を持ち、
生きてもいない・死んでもいない日々、他人に関わらぬと言いながら
根が優しいのだろう、少しずつ皆の世話している。いい男だ!
草薙くんは、「役」以上に人間性が良い気がする、同じグループ
の尊大なキ@@@とえらい違いだと感じるが・・
毎回感心するが、住人のドクター(香川照之)、どんな役をやらせても、
味のある人物を作り出す。男優は好きにならぬ私でも、気になる役者だ。
頭は東大、血は猿之助、やっぱり違うネ!
住人でドクターのワイフ(中谷美紀)、もう最高!イトシ~・シト、
顔つきといい、韓国語といい、激しい気性、熱い情は、もはや
日本女でなく、理想の韓国女の域であった。
他の住人(韓国人キャスト)のエピソードも皆中々よかった。
あぁ~、こんな「私でも」傷付き、痛むこともあるのですヨ。
しかし仕事もあるシ、家族もいるシネ、ホントこの異郷のホテル
・ビーナスに、一泊2日くらいで行きたいですワ
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