実在した現代の人物を主役にした映画が盛んである。
近年ではヒッチコック 2(アンソニー・ホプキンス)2013, マリリンン・モンロー
(ミシェル・ウリアムズ)2012、サッチャー(メリル・ストリープ)2012、エリザベス2世
(ヘレン・ミレン)2007、ハワード・ヒューズ (レオナルド・デカプリオ)2004 など
多々あった。という訳で今回は「ダイアナ」に一言
「事実は小説より奇なり」というが、映画になるほどの実在人物となるとドラマ以上に
ドラマッティックな人生を生きた人物ばかり、皆 個性強く、良い意味でも悪い意味
でも魅力的な人ばかりである。
最近の映画はメイキャップ技術とSFX技術を駆使して実物本人にできるだけ似せる。
その結果まるでドキュメント・ニュースフィルムの如くである、それを演技派俳優が演じれば、
本人の人物像をじっくりと掘り下げてくれる,誠に興味深い。
さて、今作はあのダイアナ元妃、この人くらいドラマッティックな人も居まい、1982年英国
チャールズ皇太子と結婚、ウイリアムとヘンリー二人の王子の母となる、世界中でダイアナ
フィーバーが起こる。チャールズ皇太子とカミラ愛人問題が起こり、結果は世紀の離婚。
英王室との確執の中、地雷除去など国際慈善活動に参画して世界的人気となる。
一方、パキスタン人外科医との恋愛、エジプト人富豪ドデイとの交際、パパラッチの追
っかけ、
そして悲劇的な結末、ベンツがトンネルの柱に激突し悲惨にも交通事故死した。
ダイアナの死に暗殺説がささやかれ、エジプト富豪家から訴えられたくらいである。
しかも俳優は美貌の演技派(ナオミ・ワッツ)さんである、期待せずにはいられない。
しかしまだまだ生生しい事件であり、当事者の元夫チャールズ皇太子もエリザベス女王も、
王子達も結婚し新生活、それぞれご健在ゆえ、どこまで表現出来るのか?
あのザ・クィーン(2006)ではエリザベス女王がダイアナが突然事故死してから葬儀までの
数日間の女王の苦悩を表現、当時英王室とダイアナ関係は最悪であった、全てでは
ないにせよ、ある意味よくぞ内情をここまで見せてくれた。日本皇室では考えられない。
名女優ヘレンミレンが女王を見事に演じ、アカデミー主演女優賞を受賞した。
今作はその問題児本人ゆえ、興味深々であった。
な・なんと!離婚した後のダイアナ公妃とパキスタン心臓外科医のハスナット・カーン
(ナヴィーン・アンドリュース)との成就しなかった悲恋のみに超限定したつまらない
ラブ・ストーリーにしてしまったのだ。
チャールズもエリザベス女王もヘンリー王子も、ウイリアム王子など英王室もブレア首相も
当時の公の方々は誰も出てこない。
外科医さんもハンサムでない故か、ナオミ・ワッツさんもとても元王妃には見えなかった。
期待し過ぎて失望! やはり無理だったネ。監督はドイツ人のオリバー・ヒルシュベゲール
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