基本的には われわれ仏教徒である日本人には理解できてない映画
なんだろうと思う。
特に前作「ダ・ヴィンチ・コード」(06)は日本でも大ヒットしたというが、
見た人は理解出来てたのかしらネ、正直私はさっぱり判らなかったですワ。
今回の続編「天使と悪魔」のテーマは、ガリレオ以来の「宗教 VS 科学」
の対立と、バチカンの権力闘争がテーマである。前作よりは判り易かった。
世界カトリック教の頂点であり、信者が10数億いるのだからその権威と
利権は相当なものだろうゆえ、ローマ法王の地位は狙われて当然である。
わたしは常々「映画は雑学の宝庫」として、どんな映画も厭わなく
見ておりますが、特に今回はローマカトリック組織やローマ法王決定の
システム「コンクラーベ」が詳細に画かれ、誠に興味深かった。
近年では2005年のヨハネ・パウロ1世の死去の後、ベネディクト16世が選出
されたことが思い出さされる。あの時も世界中からバチカンに集まった信者
が待つ中、枢機卿団がシスティーナ礼拝堂に監禁され、その中で投票された。
興味深いのは、決まらねば黒い煙、決まれば白い煙が煙突から出され、
それを見て信者が歓喜するのである。いやはや通信システムが発達した
現代になんとも面白い儀式です。
私もバチカンに行き、サン・ピエトロ大聖堂を見学したことあるので、
特に興味深いのだが、主役たち(トム・ハンクス)(ウアン・マクレガー)
がバチカン市内を駆けずり回るシーンで、さまざまな教会や旧跡、ベルニーニ
の彫刻が見ることが出来、それだけでも見る価値ある映画です。
さてそれにしても、ずいぶん手間をかけた犯罪である、ここまでこだわる
ものなのか? 完成するかどうかわからなかった画期的な大発明「反物質」
を盗み出すエピソードから、わざわざ、いわく因縁ある殺し方、いく先々に
次への矢印を残すなど大変な手間だ。
いつも思うが、キリスト宗教的映画は常に血まみれ、はりつけとおぞましい。
うらみつらみの薄い、葬式仏教徒であることを感謝する映画でもありました。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。