パスカルは言った「もしクレオパトラの鼻がもう少し低かったら
世界の歴史は変わっていただろう」
私はいう「小喬(しょうきょう)ちゃんのあのうるうる目がもう少し
どっちかに寄っていれば、世界の歴史は変わっていただろう」
いやぁ~歴史は面白い、時の絶対権力者「曹操」(そうそう)
80万の大軍を擁し、命令は絶対服従、裏切り者は即処刑、戦いに手段を選ばず
疫病まで利用する冷徹非情の戦略家「曹操」
彼の野望、全中国制覇まであと一手、宿敵「呉」「蜀」連合軍の全滅は時間の
問題であった。そ・そ・その時に小喬ちゃんと呑気に「お茶」しちゃうなんてネ。
私の様なお茶をたしなまない非文化人の解釈では、周愈の妻で世紀の美人、小喬
(リン・チーリン)と実際は「お茶」では済まない「処」までし・て・い・た
としなければ納得できませんヨ・・
映画を観ている内、正直、曹操役のチャン・フォンイーさん、いくら強面顔を
しても、いくら冷酷な振る舞いをしても、どっか憎めない人の良さを感じた。
好きだなこの人!
そしてもう一人の女、尚香(しょうこ)ちゃん、呉の王「孫権」(そんけん)の
妹ながら全くの男勝り、敵の陣中に歩兵に化けて潜入、兵力の配置を探っていた。
尚香(ヴィッキー・チャオ)と敵の歩兵班長との恋?はなんだかロマンス場面の
付け足しの感あり、しかし男の人の良さに付込み利用しまくる女のしたたかさに
感服。この女なら恋の相手は諸葛孔明くらいでないとバランスはとれませんネ。
パートⅡは「蜀」の連中、劉備、関羽、張飛、趙雲は後ろに引いて少々寂しい
しかし今作は天才軍師孔明(金城武)の知恵の出し所、連合軍の最高指揮官
「周愈」(しゅうゆ)(トニーレオン)と曹操の戦略合戦が見所であります。
そして主たるテーマは橋田須賀子ばりの女たちの三国志といえましょう。
それにしてもこれくらい金を掛け、これくらい役者をそろえ、戦場スペクタクルを
C・イーストウッドやS・スピルバーグが監督すれば、もっとシリアスなものに
仕上げただろうに・・
この監督ジョン・ウーとなれば、どっかB級香港カンフー映画の匂いがある、特に
周愈が横とびジャンプして小喬をジャストキャッチしたには笑ってしまいました。
昔のオールスター顔見世興行、東映娯楽時代劇の風味もある超大作、映画ファンなら
見ておくべき映画です。
コメント
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