マイクル・クライトンさんは相当稼いでいるのでしょうネ、
小説で稼いで、映画権を売って稼いで、映画を見た人が本を買って、
またベストセラー。原稿を書きながら頭の中は映像とドルで満杯で
ないかと推測。
さて「タイム・ライン」はあの「ジュラシック・パーク」のバリュ
エーションと思える作品。
ジュラシック・パークは太古の時代に、恐竜の血を吸った蚊が、琥珀の
中に閉じ込められまま発見された。その血からDNAを採取しクローン
化して恐竜を再生させたものだ。最近の目ざましいクローン技術を見るに
「ありえること」と妙に納得したものだ。
この「タイム・ライン」は今世紀最も期待される科学、量子ビーム
やナノ・テクノロジーいわゆる「量子テクノロジー」理論がベース。
量子力学では多宇宙が存在する=今の自分の世界に平行して、
無数の別パターンの世界があるという考え。量子の隙間を利用して
他の平行宇宙に移動する技術が開発されたというものだ。
今回移動する先は年代が少々ずれて14世紀の世界。
これは今までの時間を移動するタイムマシンとは全く異なる
理論であります。(別世界ゆえ、なにをしても歴史は変わらない)
開発したのはITC社、この会社のモデルは「マイクロ・ソフト社」と
思える。社長役(デヴィット・ジュリース)さんの顔はまぎれもなく
ビル・ゲイツだ。
この原作本の面白さは科学理論の説明やら、この技術を利用して
一儲けを計る企業家の損得勘定と、技術的な欠陥によるトラブルが
大変面白いのです。
本の中でも中世パートと現代パートがあり、私は現代パートばかり
読んでいた次第、しかし映画は現代を端折って中世の騎士道活劇
映画にした。監督さんは選択を間違えたと思います。
ジュラシック・パークの時はプロローグでしっかりとクローン技術を
アニメで説明したし、テーマパークの理想も説明した。
さすがスピルバーグ、SFの面白さを熟知していると思った。
このタイムラインの監督は、本の導入部のミステリアスな部分と
量子理論の説明を大幅カット、ただの活劇にしてしまったのだ。
主役のマレク助教授を演じたのは最近見た「トゥームレイダー2」
でララ・クロフトの恋人役(ジェラルド・バトラー)さんだった。
こちらの方がいい役で、もう忘れないだろう。
ラストでつくづく思った。男はロマンチストである!
最近見た「ソラリス」でも、この「タイム・ライン」でも
男は女のために地球も時代も捨てることができるということが・・。
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