原作は口コミで伝わり140万部という大ベストセラーになった。
1週間遅れで、学生している息子から女房に誕生日プレゼントが届いた。
「ママがハート・ウォーミングドラマ好きなので選んだDVD3本」との由
その1本が「白い犬とワルツを」だった。
これはまぁハートウォーミングだが、妻に先立たれた老人の話ゆえ、
母親の誕生日にふさわしいか?疑問、ストーリー知らずだナと思った。
米国人作家テリー・ケイの原作、出版から6年経った2001年、
日本でこの文庫本が出た時、ファンであった本屋の店長さんが、
本の横に紹介コピーを付けた。
「妻をなくした老人の前にあらわれた白い犬。この犬の姿は
老人にしか見えない。それが他のひとたちにも見えるようになる
場面は鳥肌ものです。何度読んでも肌が粟(あわ)立ちます。
感動の1冊。プレゼントにもぴったりです」
このコピーに釣られたのか本が売れ出し、さらに口コミで伝わり
140万部という大ベストセラーになってしまったという本。
この本は早々と映画化された。
田舎で造園業を営む老夫婦(仲代達也と藤村志保)、ある日突然、
妻が倒れ亡くなった。残された夫は悲しみと呆然の毎日、
そんな時に一匹の白い犬がふらりと現われ、老人に妙になつくのだ。
妻の化身でないかと思った。老人は犬を連れ旅に出た・・・
愛する者との死に別れは、それだけでドラマだ。年配の人なら
殆ど体験者だろう故、心の琴線に触れること間違い無いテーマだ。
それゆえに、この手の映画を安易に作ることはルール違反である。
この監督もカメラもまじめな人らしく、丁寧な創りは評価出来る。
仲代さんが名優であることは誰もが認めます。
最近は舞台が多い。しかし老人にしては、声に張りがあり過ぎるし、
顔の造詣が外人ぽいのだ。
日本の田舎の静かな、素朴な情景の中で一人シェクスピア劇を演じて
いる違和感を感じた。これは昔の「乱」でも感じた違和感と同じ。
よって今回は私の涙腺は決壊しませんでしたヨ。
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