2024年元旦から能登地方大災害に襲われ、多くの方が苦しんでいる。
世界は戦争だらけ、しかし政治家は裏金隠しで政治放棄、国民は
もう欝状態だ。
唯一の朗報はドジャースと1000億円で契約した大谷翔平選手が
結婚したこと。本当に良かった。少しはストレスが和らぐだろう
大谷は岩手県奥州市出身、ロッテの佐々木朗希は大船渡高校,
米国スタンフォード大学に留学した佐々木麟太郎は花巻東高校出身、
正に岩手は野球の金鉱脈だ。我が家の発生は花巻の近隣村ゆえ
出身地の誉に誠に嬉しい。
さて岩手県花巻といえば、やはり「宮沢賢治」という訳で、
「銀河鉄道の父」に一言。私は仕事で花巻に行くことがあります。
花巻温泉の源泉は深い緑掛かった透き通ったお湯で、私が最も
好きな名湯。また花巻には立派な宮沢賢治記念館があり、近隣
には宮沢賢治縁の場所が多々あり、全て観光スポットに指定し
正に観光上手である。
宮沢賢治は「雨ニモマケズ」の文があまりに有名ゆえ、貧農の出
と思っていたが、花巻で質屋を営む名士の子でした。むしろ金持ち
であることに、貧乏人へに対し引け目を感じていたと思われる。
映画の原作は門井慶喜氏の「銀河鉄道の父」で2018年の直木賞
作品。これは父親(宮沢正次郎)から見た賢治の記録と言える。
史実や原作を尊重しつつも、やや離れた演出で賢治家族それぞれ
の心の中を映像として表現した(成島出)監督は見事であった。
賢治の作(物語、童話、詞)は生前全く評価されず、売れません
でした。父親や家族が根気よく賢治の作品を世に出した結果、
評価が上がり世界中から愛されるようになったのです。
家業の跡取として祖父も父も期待を掛けた賢治(菅田将暉)で
あったが、商売をするには優し過ぎた、デリケート過ぎた。明治
から大正時代の厳しい時代では「ダメ息子」だろう。しかし父
(役所広司)は天才と繊細な賢治の生き方(農業研究、物語つくり、
宗教と性)を出来るだけ理解し尊重した。
愛する妹トシ(森七菜)の死は賢治を打ちのめした。「永訣の朝」を
残す。その後賢治は精力的に童話や物語を書いた。
賢治の彷徨を見守り、しかも若く先立つ息子の死を見送る正次郎の
気持ちを察するに、私は敷くじたる思いとなった。こんなに息子を
信じ、こんなに子供に優しく、寛容な男に自分はなれるのか?
とてもできない。しかしこうあるべきだ。前から映画の効用は
「映画よく見て、わが身を正せ」と言ってきたが、また反省した。
本当に良い映画だった。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。