2014年11月10日に亡くなった(高倉 健)の後を追うように11月28日に(菅原文太)が亡くなった。
菅原文太といえば「仁義なき戦い」1973 、学生時代近くにあった場末のオリオン座劇場に何度通ったことか?
一世を風靡した(高倉健)の東映任侠ものが役割を終え、その後東映のヤクザ映画が見事に体質改善を
成し遂げたのだ。本物のヤクザ組長の手記が原作であり、(深作欣二)という若手監督の下、無名の俳優
たちが生き生きとして実録ヤクザ群像劇を作りだしたのだ。
舞台は昭和22年、終戦間もない焦土の広島・呉、全てを失った日本人が生きていくために最もギラギラ
していた時代、敗戦のからの復員兵やら浮浪児が己の野心のために生え上がり、裏切りと暴力の限りを
尽くす正に権力闘争ドラマである。
復員兵、広能昌三(菅原文太)は縁あって山守組長(金子信雄)の盃を受けヤクザ社会に身を投じた。
激しい抗争の中で広能は、知恵と度胸により有力な幹部となった。
ヤクザ幹部として坂井(松方弘樹)、岩井(梅宮辰夫)、槙原(田中邦衛)、江田(山城新伍)、
大友(千葉真一)が皆個性を発揮したが、特に好きなキャラは川田(三上信一郎)、松永(成田
三樹夫)だった。しかしこのシリーズで菅原文太とガップリ四つの貫録を競ったのは敵幹部を演じた武田明
(小林旭)だった。さすがマイトガイ。
この四部作を通じて、誰が味方か敵か判らぬ内部抗争・裏切りの連続が面白いのだ。己の損得しか考え
ない組長(金子信雄)のずるいことずるいこと、この男に広能や子分たちが翻弄されるのが面白いのだ。
村岡組長(名和広)、打本組長(加藤武)大久保長老(内田朝雄)ら組長=経営者は皆ずるい、
そしてこれら悪役が魅力的でなければ映画は面白くないことを立証したようなものだ。
あと利用され死んでいく切込み隊=いわゆる鉄砲玉の山中(北大路欣也)や有田(渡瀬恒彦)が哀れ。
もっとも悲惨なのは下っ端組員(川谷拓三)(室田日出夫)(小林稔侍)(桜木健一)らが虫けら
の様に殺される!旨かったネ。まさに「つまらん連中が上に立ったから下の者が苦労し流血を重ねたのだ」
今でも記憶に残っているセリフがある「狙われるモンより狙うモンのほうが強いんじゃ」「神輿が勝手に歩ける
なら、歩いてみないや」 あれから40年も過ぎた、役者の多くが鬼籍に入ってしまったネ 合唱
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