殆ど見ることが無いジャンルの映画だが、電車の待ち時間をつぶすために
丁度良い時間帯で上映していたのが、この映画「新宿スワン 2」であった。
いやはや最初から乱暴な暴力シーンの連続だ。電車の時間に合わせて
途中までと思っていたが、時間が経つ内、何となくユーモアもあり、ついつい
最後まで観てしまった。
若い頃、東映の「仁義なき戦い」1973や,「日本の首領」1977などのヤクザ
映画にどっぷりのめり込んでいた私だが、仁義シリーズが終わったあと、仁義
ほど面白いヤクザ映画が無かったのと、年を取るとあまり乱暴なシーンを見れ
なくなっていたので、この手の映画から遠ざかっていたのだ。
日本一の歓楽街といえば新宿、それも夜の街、風俗の街といったら歌舞伎町
であろう、そこは日本中から快楽を求め、性欲を満たすため膨大な男たちが
集まってくる。そして、それを受け入れるために膨大な女達が待ち受けている。
正に欲望と金の物々交換所である。
いくら不況といえ、人間は獣である、性的満足には金を惜しまない、遊ぶ金
欲しさに稼ぐ女、子供のため稼ぐ女、好きな男に貢ために働く女もいて、
世界経済と異なり需要と供給が均衡している世界である。
これだけの大規模な歓楽の世界、これだけの女を集めるには相当なシステム
が無いと維持できまい。特に人手不足の昨今、マイナンバー制で裏収入まで
徴収するご時世ゆえ、若い女性を集めるのは容易なことではない。
この映画は、こんな女たちをスカウトする男たちの闘争物語である。
主役は白鳥龍彦(綾野 剛)である、鳥の巣の様な金髪頭、スワン1で
兄貴分になる真虎(マコ)(伊勢谷友介)に拾われ「新宿バースト」の
一員となる。めっぽう喧嘩に強いが、無鉄砲でおっちこちょい、しかし自分が
スカウトした女達をいつも心配している心優しい男。
このキャラが若い女性から圧倒的支持を受ける人気の由縁と推察。
とにかく何時もライバル会社のスカウト達にボコボコにされる役回りである。
スワン1は新宿の宿敵会社「ハーレム」との権力闘争だが、スワン2は勢力
範囲を広げ滝(浅野忠信)率いる横浜「ウイザード」との闘争である。
この戦いには裏があった全国酒販連合会長(椎名桔平)の野望、そして
横浜ヤクザの親分(中野英雄)と新宿ヤクザの親分(吉田鋼太郎)の
勢力争いに、結局2つのスカウト軍団は利用されていたのだ。
ヤクザの下請け軍団は所詮使い捨てということだろう。
スワン1では風俗嬢(沢尻エリカ)の綺麗なこと綺麗なこと!見直した。
スワン2では兄貴分・関(深水元基)がやたら格好良かったですワ、
こんな暴力映画なれど、イケメン俳優を揃えて女性のヒットになったのか?
もしかすると、若い女性に内在する娼婦性にヒットしたのかもしれませんネ
監督は園子温さん 原作はこれまた「週間ヤングマガジン」連載の
和久井健さんの「新宿スワン~歌舞伎町スカウトサバイバル」でした。
コメント
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