親と子と家族の原型を見事に表現
霍建起(フォ・ジェンチ)監督「山の郵便配達」'99(中国)に一言、
舞台は1980年ごろの中国、湖南省の山村、山岳地帯は交通の便が悪く
歩いて郵便配達せねばならなかった。父は何十年も配達の仕事をして
きたが、もう引退の歳と思い、局から息子を後継ぎにする許しを得た。
息子の初仕事は120km 3日掛けて山村を回る工程、父は同行する。
それは息子を指導し、村々の人に息子を紹介し、そしてそれは自分の
最後の配達でもあった。
この映画、ストーリーは無い、はじめて父子二人と愛犬で山村を巡り
郵便を配るだけだ。巡る山々と農村の情景がとても美しい。
この美しく素朴な映像は、親と子と家族の原型を見事に表現したのだ。
私も同じだが、息子と密に接したことなどない、あらためて話し合う
こともない関係である。その点、母と子は母乳の実績を誇り、濃密
な関係(子ミュニケーション過多)である。
父は語らず態度で子に接しなけばならぬ難しい役割を持っている。
映画の父は、盲目の老女に対する優さ持って、見事に人間性を示し、
子は愛されていたことを自覚したのだ。いい映画!
中年以上の父親必見の映画ですゾ
そして風に飛ばされた郵便は、仕事の厳しさや仕事の責任を教え
込んだと思うし、あの犬(次男坊)の活躍は、助演男優賞ものです。
さてこの映画の時から30年くらいたった現在、中国全土は開発され、
山村は近代化された。広大な領土に携帯電話の普及は必須、
インターネットも大普及、歩いて郵便配達人はいないだろうネ。
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