何故、この年寄りアクションを観にいくのか?
インディ・ジョーンズのⅠ「レイダーズ」の封切りが1981年だから
このシリーズは27年も続いていることになる。
凄い!というわけで,
「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」に一言。
俳優に実年齢を聞くのも野暮だが、主役の(ハリソン・フォード)さんは
1942年生まれゆえ、なんと66歳になる。定年後の年金隠居世代だ。
彼が映画でブレイクしたのが1977年のスター・ウオーズⅠで、35才の
遅咲きデビューだから、H・フォードも10才くらい若い気でいるのか?
彼の「ハリウッド的殺人事件」'03の時は、中年太りで、走ると
よれよれで、もうアクションは無理だと思った。しかし今作では
だいぶ体も絞込み、多分エクセサイズ・トレーニングし万を期して
さらにCG技術でかなり補正して、何とかアクションをやり遂げた。
それにしても、何で!多くの人が、こんな年寄りのアクション映画でも
見に行くのだろう?
やはり映画を見る勢力は米国のベビーブーマー世代と日本の団塊の世代
(どちらも1945~1955くらいに生まれた増)が圧倒的で、自分と同じ
世代がまだ主役を張る映画には特別な思い入れがあるのだろう。
特別な思い入れとは
1)自分が若いころ見た映画に、いつまでも特別な郷愁がある。
2)まだまだ自分は現役で、主役でやれるのだという思い込みがある。
3)ストーリーの方も昔の恋人が出てきたり、自分の子供が成人したり、
死んだ父親を思い出したりと、それなりに我々の年に合わせた設定
になっていることに共感するのか?
この辺は見る我々団塊世代も、創る方の主役H・フォードも、監督の
(スティーブン・スピルバーグ)も製作の(ジョージ・ルーカス)も
同じ世代、同じ考えと思われる。
さて、インディ・ジョーンズは考古学者であり、当然地球の歴史や宗教と
関係深い、いままでのテーマはキリストや聖書の聖櫃(せいひつ)とか
金の十字架や金杯とか、神の絶大なる力を手に入れようとする権力者達が
暗躍し、結果神から天罰を受ける結末であった。
今作はストーリーがどんどん増長して、留まることを知らなくなった、
とうとう「未知との遭遇」'77の世界、いよいよ宇宙人の登場となった。
シリーズものは、どんどん荒唐無稽になって行くのが常道であるが、
S・スピルバーグさん!あなたもか!と言いたいネ。
これは私の想像ですが、宇宙人登場のアイデアは、多分G・ルーカスさん
から出されたものだろう、S・スピルバーグ監督さん、今回はルーカス
さんにも「花を持たせよう」と思ったのだろうネ。
さて、光っていたのは今回の敵役、ソビエト軍の女指揮官、イリーナ・
スパルコ大佐、冷酷なインテリで剣術の達人、ロシア訛りの英語を駆使し
不思議な色気と魅力を醸し出していた。
ロシアの俳優かなと思っていたら、なんとあの(ケイト・ブランシェット)
さんだった。似ているナと思って見ていたが、本人だったとは!若々しく
旨い演技。さすがアカデミー受賞者にして常連ノミナーと思った次第。
見所の一つにI・ジョーンズ博士の大学構内でのバイクチェイスがあった、
1957年ごろの大学内部を見事に再現し、大変な人数の大学生は皆、当時の
顔、髪型、当時のファッションで参加した。当時の学生デモなど、かなり
当時の風俗ディテールにこだわる監督に敬意を表したい。
一方で、米国人の核と放射能に対する甘い認識を露呈している、
ネバダ砂漠原子爆弾の核実験で、あやうく冷蔵庫の中に居て難を逃れた
エピソードなどは、あの「シンドラーズリスト」'93で、アウシュビッツの
悲劇をシリアスに画いた同じ監督とは思えぬほどの楽天ぶりである。
まぁ映画界の勝ち組3人が「一番元気な頃ヨもう一度」と道楽的に創った
映画、そしてそれを見に行くのが団塊世代=別名ノスタルジア世代という
ことですネ。
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