いやぁ~この映画は問題だ!
少々、上気したまま劇場を出た。くやしいが、
監督(エイドリアン・ライン)の術中に完全に落ちてしまったのだ。
この映画を観て、ご夫人達は「やっぱり、不倫はいけないんだ。」と
思うだろうか?・・否だ!
あの男と、はじめて情交に及ぶ時、女はあまりの興奮で、
体は小刻みに震え続けた。(カメラはこの麻痺を見事に撮らえている)
そして表情だけで、男を受け入れた喜びを表現したのだ。
帰宅途中、女は一人電車の中で、行為を繰り返し,繰り返し思い出す。
そして、思い出すたび、笑みが湧き出てくるのだ。上気してくる、
歓喜が甦る、女は電車のトイレに駆け込まねばならなかった。
女(ダイアン・レイン)は 普通の主婦である。美しく魅力的だ。
裕福な家庭がある、NYの静寂な郊外に高級な住宅がある。
小学生の男の子が一人いて、しっかり母もしている。
そして夫は、あの(リチャード・ギア)さまである。
この映画での夫は、仕事ができるが仕事人間でなく、家庭を大事にする。
暴力夫でなく、無粋無骨でなく、妻を家庭に閉じ込めるタイプでもない。
ホモでもインポでもない。夫として夜の生活も充実していると思われる。
3高(背が高く、高学歴、高収入)+ハンサム+優しい+子供好き=完璧
それでも妻はフランスのボヘミアンみたいな若者と性愛に陥るのだ。
場所を選ばず、どこでも犬の如く交わる(D・レイン)の性的演技と表情は
抜群に旨い。天才少女だった彼女も相当人生経験を踏んだと思われる。
コーヒーショップの雑談で、女友達から、たった一度の不倫で、家庭を
台無しにした経験談を聞き、「不倫」は止めるべきと考える。
しかし抑えることが出来ぬまま、果たして、家庭は破壊に向って行く。
一見「いけないことだよ」と教訓を与えている様に見せながら、
若者とのデートは「青春時代の恋」を思出ださせ、激しい交わりは
「歓喜の極み」を、これでもかと見せ付け、不倫を推奨するが如くである。
A・ライン監督 あなたは悪い人だ! 人間の道徳・規範の心と
獣の本能とを秤に掛けて「さぁ!あなたはどっちだ?」と試し、
楽しんでいるのですヨ。
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